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2009年8月16日 (日)

これからの病院←医療+ホテル

私は注射とお化けは大嫌いということもあって、病院にはめったなことでは行かない。
お見舞いにはたまにいくが、それでもあの寒々とした病院の廊下は、どうしても好きになれない。
もっとも好きという人はいないだろうが。

病院は、近年特にIT等の最先端技術が導入されたこともあって、病気を治すハイテク工場というイメージをますます強くしている。
ますます怖くて近づきたくなくなった。

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先日広島市内の大きな病院の関係者と話していた時、彼は次のようなことをいっていた。

「病院はいま大きな変わり目にある。
病院はいままで、病気を治す、その能力をいかに高めるかに力を注いできた。
その反面、病人の治療以外の時間、病人の気持ちへの配慮が、どうも欠けていたようだ。
病院へは付き添いの人、お見舞いの人と沢山の人、多様な人が訪れる。
そうした人への配慮もあまりされてこなかった。
病院の中にそうした付添いの人、お見舞いの人のための宿泊施設を作ることも必要だと思っている。
また病人だって、たまには上手い食事ができるレストランもあったほうがいいと思っていると思う。
さらにはコンビニだってあったほうがいいだろう。
そうした施設を病院内に作ることも必要だと思っている」
と話していた。

レストランも、コンビニも、すぐ外に出ればある。
だから、病院内になくてもいいではないかといういい方もあるが、実際に入院している人、付添いの人からすると、もっと近くにあればその方がいいということはあるだろう。

改装された広島市民病院にはすでにコンビニもカフェも作られている。
廊下には絵画も飾られている。
ちょっとしたホテルのようになっている。

随分以前から、産婦人科の病院はものすごく綺麗になっている。
病院とはとても思えない。
ホテルのようだ。

ホテルもホスピタルも語源は同じHospesだという。
旅人を遇する(もてなす)所として意味づけられており、さらに、手厚いもてなしとしてHospitalisという形容詞が生まれてきたという。
ということでは、医療+ホテル=病院というのが、本来の姿といえるようだ。

もっといえば、病院―ホスピタルにもホテルと同様人が24時間過ごすところ、それこそ一つの小さな街としての機能を備えていることが、要求されているともいえる。
生活するのに全てのものが揃っているところ、そして快的な生活をするためのサービスがされるということが必要なようだ。

しかし現実はなかなかそうはなっていない。

病院は医療保険との絡みもあってか、様々に制約を受け、雁字搦めになっているのも事実だろう。
しかも殆どすべての病院が赤字経営に陥っている。

「そんな状態にあるのに、ホテルのような施設にするとか、サービスをするとかは不可能なことだ。
その前に医師の確保とか、医療の充実とか、その前にもっともっとすべきことがある」というのが本音だろう。

しかし逆に、ホテル部門といえる直接医療に関係ない部門を充実させることによって、赤字経営から脱却する方法があるかもしれないという発想はできないだろうか。

日本の私鉄は、沿線の住宅地を開発することで、乗客を増やし、ターミナル駅にデパートを作ることで、乗客の利便性を高めて来た。
鉄道以外の様々の事業をすることで鉄道会社としての経営を、安定させ、向上させてきた。

そうした例に倣えば、病院の赤字経営脱却のヒントは、病院のもう一つの姿であるホテル的部門等の充実にあるのかもしれない。
付添の人、見舞客にとっても好ましい環境を作ることになるかもしれない。
それはホテルとしては安定した宿泊客を確保できることにもなる。

そんな病院が日本にないわけではない。
東京の聖路加病院は病院とホテルとが一体になっているだけでなく、大きな貸事務所ビルまでを一体に取り込んでいる。
こうしたことは縦割り行政の仕組みに縛られる公的病院ではおよそ不可能なことだろうが、ここ聖路加病院では私立だから可能になったのだろうか。
いずれにしろ聖路加病院では、そうすることが、極めて高度な医療と快適な病院環境とを作り出す上で大きく寄与していることは確かだろう。

人間は生まれた時から病気は悪化していく」ということもいわれる。
人は病院と無縁では生きて行かれないというのも事実だ。
そうであれば、病院にいる間が少しでも快適であって欲しいとは、誰しもが願うことだろう。

これからの時代にあっては、病院も医療に携わる優秀な医師を確保するだけでなく、病院事業という大きな複合ビジネスを経営する感覚をもった経営者も必要だろう。
いま病院は新しい姿に脱皮することが求められているようだ。

彼の勤務する病院が、そんな新しい病院のあり方のモデルとなることを期待したい。

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