映画「アンを探して」
日本とカナダで共同製作した映画「アンを探して」の完成直前の試写を見た。
「赤毛のアン」が出版されて100周年を記念したツアーや切手の発行にアニメの制作、ミュージカル上演など盛りだくさんなイベントが行われおり、この映画も記念行事の一環でカナダを拠点に活動している映画監督宮平貴子(30)さんが脚本・監督を務めた。
カナダの作家モンゴメリーが書いた「赤毛のアン」と言えば大方の日本人は知っている。カナダのプリンス・エドワード島を舞台に孤児院育ちのアンが兄妹のいる家庭へ引き取られてくる。人参のような赤毛のアンは美しいブロンドの女の子を見るたびに羨ましいと自分の髪を嫌う女の子…。
映画は17歳の少女・杏里が祖母に読み古した「赤毛のアン」の原書を贈った初恋?のカナダ人を探すため、単身カナダを訪れる。60年前の祖母の思い出のメモや写真をたよりにプリンス・エドワード島で多くの人の温かさと優しさに触れながら、
全く、予備知識無く、「赤毛のアン」を題材にしたドキュ・ドラ?位に思い、特に期待もしないで見始めただけに、いつの間にか引き込まれていったのは何故だろうか?
「赤毛のアン」は映画の一構成素材にすぎないが、アンに影響を受け「アン」が育んだ人達とその人達の気持ちと土地柄・風土が大きな背景としてある事がわかる。
現地のオール・ロケで制作された作品は「赤毛のアン」の舞台を彷彿とさせ、「アン」をこよなく愛する登場人物の人柄と何気ない優しさに溢れた構成はいつの間にか「人は優しく生きるためにいるのだ」と思わせ、じんわりと目頭に温かいものが溢れるのに気づく…。
出演は歌手のロザンナに吉行和子、“とんねるず“の石橋貴明の“長女・穂のか“が日米韓の合作映画に次ぐ2作目の出演で杏里役をこなしている。父の”七光り“を嫌っているようだが、父親によく似た顔立ちに長い黒髪が印象的で、祖母の歴史を一途に手繰る寡黙な少女役を好演している。
あと味の良い心豊かな感情が尾をひく作品だ。若い女性や、小中学生に見せたい映画だ。
最終的には夏前に完成して秋口から日本での公開になる予定、しかし詳細は未定。
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