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2009年5月 2日 (土)

巷談(こうだん)・蟻の祟り(たたり)

 “緩急車 雲助”とユニークな芸名で幅広いテーマの講談を語る久保浩之さんは元国鉄の職員だった。労働組合運動の傍ら演劇や文芸活動に熱心な活動家で“緩急車”は彼の職場である“貨物列車の最後尾の車掌車”で、その乗務員だった。

 久々に、自宅近くで行われる講談会の案内を頂き「蟻(あり)の祟り(たたり)」と言う演題と<もののけ噺(ばなし)>にひかれて出向いた。彼はこれまでに「黒こげの弁当箱」「石に影を焼きつけた男」「ヒロシマの海の底で」紙芝居「昭ちゃんの原爆体験」など“原爆もの”を中心に修学旅行生や県内各地の学校、全国にも出向いて語ってきた。米国や韓国・中近東にも足を運んだ。
 しかし、被爆問題を扱った<もののけ噺(ばなし)>は聞いたことが無かった。

 <筋書き>は米国が軍をあげて原爆放射能が人体へ与える影響を極秘裡にしかも強引に調査し、その遺伝的影響は未だに隠し虚偽の宣伝を続けている事実を伏線にした怪談噺だ。
 被爆した中学生の火傷に出来た瘡(かさ)蓋(ぶた)を食べた蟻が「調査を拒否すれば軍法会議にかける」と脅して強引に調査につれて行ったABCC配属の軍人に噛みつき湿疹にかかる。痒くて冷静な判断が出来ないくらいキツイ湿疹は不治で伝染する。帰国後、被爆者調査の功績が認められた彼は大統領から勲章をもらい英雄として沢山の要人と握手やハグ等の接触をし、次々に湿疹をうつして行く。要人は広島の地を踏んだことのあるニクソン、カーター以外の歴代大統領を初め、原爆製造投下を指示し核兵器を増強した人達だ。 被爆者の怨念が招く祟りの湿疹に感染した要人は「痒い、痒い」と苦しみながら余生を送る。
 
 荒唐無稽の創作講談か?と言えば、満更そうでもない。
 彼は女学生として動員中に被爆した妻がABCCに協力させられ、自分達の子供を産む過程で知った被爆二世の後遺症や健康問題で多くの事例を知り悩み苦しんだ経験がある。
 被爆女性が妊娠・出産すると県内の産婦人科医はABCCと協定して報告し、奇形児を取り上げた助産婦が報告すると大きな報奨金が出た…事実等を知っている裏付けがある。

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 被爆者は今や米国に恨みや妬みや仇討の気持はない…と一般的には言っている。
 はたして、そうなのかと言えば、決してそうではないと言う人達は多い。恨み、辛みの一つも言えないまま逝きたくないと言う人は多く『蟻の祟り』はそんな被爆者の心の底をすくった巷談(こうだん)…と受け止めた。

 来年は被爆65周年。国連軍縮総会が開かれる。
 4年前、ブッシュ政権下での総会に参加した彼は今回の総会にも参加したいと思っている。
 その際、この「蟻の祟り」を英訳して口演しようと相談した広島文化センターのリーパー理事長は「大統領をこよなく尊敬する国民が多い米国で、大統領が被爆者の祟りに遭う」想定は『貴方の命が保障されない』と半分冗談とも思える落ちを付けた…そうだ。
 その彼は、理事長室の入口に「巷談(こうただん)・蟻の祟り」のポスターを張り、気を使う久保さんに「私が私の城に張るのだから心配ない、貴方は日和見を起こしたのか…だから日本の平和運動は伸びない…」と対応し、久保さんを感激させたようだ。
 日米間で極めて微妙な問題に対して大らかな米国人気質が垣間見えるエピソードだ。

 しかし、この日の講釈は先にオバマ大統領がプラハで行った「核兵器のない世界へ」の演説で「核兵器を使った唯一の核保有国として道義的責任がある」と述べたことを、アメリカの良心的な人達に“ヒロシマの怨念”が通じ、オバマ大統領を誕生させて核兵器廃絶の実現に向けて取り組む…と言う二段落ちで締めくくった。
「蟻の祟り」が解けることを願った講釈師の“対米感情への配慮”である一方本当の願いでもある。

 この話、次々に目に浮かぶ光景に思わず拍手と笑い声を立ててしまった。
 子どもや次世代の若者に考えてもらうために“紙芝居化”を強く感じた。
 是非、「紙芝居・蟻の祟り」の実現を期待したい。実に、面白い原爆もの講釈だ!!
 是非、ぜひ日米両国民が笑いながら観ることが出来る『アメリカでの紙芝居“蟻の祟り”』の実現を夢見たいものだ。

問い合わせ・連絡先:<緩急車雲助>久保浩之:携帯 090-7505-4195

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