ステッキ(杖)の効用
ステッキを使い始めて3ケ月が過ぎた。(当ブログ2月26日掲載「転ばぬ先のステッキ」)
毎日の散歩の途中で転びそうになるなど足元がおぼつかなくなった対策である。
ステッキと言えば洒落た感じがしないでもないが杖と言えば“老人”のイメージが強く、何となく気恥ずかしさがあって暫くの間、何となく伏し目勝ちに歩いていた気がする。
高齢者の骨折事故は家の中の敷居や部屋の段差など慣れている場所での転倒や外でも、ちょっとした石ころや木の根っこなどへの躓きや、下り坂でつんのめって転ぶケースが多いと言う。自分の高齢をどこで線引きするかは難しい。年齢でなく腰痛や足元・体を見て気づいた家族が日常的に遠慮なく言ってあげることが大切だと思う。
ステッキを使う事は足が三本に成るのだから足への負担は三分の一かどうかすると半分にも軽減された感じがする場合がある。少し使い慣れてくると実に楽になる。
グリップの端、小指が当たる位置の小さな曲りはそれぞれ微妙に違って特徴になっている。
長さは「身長の半分+3㎝」が一般的で、個々がそれぞれ使いやすい長さに調整する。
グリップを右の腰骨辺りを支点に前に先を投げ出し、一歩進めてまた投げ出しを繰り返す。
その時、グリップ端の小さな曲りが小指にかかって全体の動きをスムーズに運んでくれる。
沢山の人の手を経て使い心地が良いように工夫された優れた道具である事を実感できる。
<写真のグリップ素材は柘植の木>
使ってみて初めてわかるのは軽くて小さなステッキがスムーズな歩行をさせてくれる。
気付かない内に足を滑らせて歩いていたのが、膝を上げ胸を張って歩けるようになったのは正しくステッキの効用だ。意外な事は自分が杖を使って出かけて街にステッキ人が溢れているのに驚いた。
予想もしなかった効用もある。電車やバスに乗って空席がない時は大抵若い人が「どうぞ」と言って席を譲ってくれる。近くですからと遠慮をしても進めてくれるケースも多く、気持ちよく親切を頂くことにした。老人を尻目に白や黄色のシルバー席や譲り合いの席に遠慮なく座る若者を見て、「いまどきの若者は…」と苦々しく思う事が多かっただけに、新しい体験・発見だ。ステッキは思わぬ“物言わぬ社会的効用”を発揮していると感じる。
私のステッキ使いと効用を知って、拒否していた“杖”を使い始めた友人いる。
元気になって杖が手放せて人もいる。いま、躊躇している人は思い切って使ってみよう!!
きっとステッキ効果を体験・発見できる…お勧めです。転ばぬ先のステッキ(素敵)です。
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