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2009年4月 8日 (水)

オープン景気

―混雑と賑わい

広島新球場のオープンが近い。
新球場への市民の期待は大きい。
その期待があまりに大きいが為にオープンしてからの混雑が懸念されている。
しかしここで、混雑にはいくつかのレベルがあるとこと、その意味する内容についてきちんと確認しておく必要があるようだ。

「混雑」と「混乱」そして「パニック」とは全く意味するところが違う。

ホテル、ショッピングセンター、美術館、どんな集客施設でもそうだが、オープンして、しばらくは大変な混雑になる。
よくいわれるオープン景気というやつだ。
そんな混雑は、通常数カ月で消えてしまう。

マリーナホップがいい例だ。
オープンしてしばらくの間は、2号線にまで渋滞が伸びた。
そのため周辺人々は大変迷惑した。
それがいまでは殆ど客は来ず、駐車場はガラガラだ。
かなりのお店のシャッターは閉まっている。
その挙句、とうとうディベロッパーの会社は倒産してしまった。

キリンのビール工場跡地にソレイユができた時も、JTの工場跡地にJTゆめタウンができた時も、やはり酷い渋滞が起こった。
しかしその渋滞もそれほど長い間続かなかった。
そうなると、多くの市民はいっていた。

広島県民は県民性として、熱しやすく、冷めやすいとよくいわれる。
県民は、そんな混雑は一時的なものだとよく知っているようだ。
意外と冷めている。

ここで一つきちんとさせとかなければいけないことがある。
混雑は賑わいそのものだということだ。
混雑=賑わいといってもいい。
時には混乱もあるかもしれない。
それを避けようとして、混雑を解消するような施設づくりをしては、賑わいも消してしまうことがよくある。

しかしパニックは違う。
パニックは事故につながる。
パニックになることだけは、絶対に避けなければいけない。

ある宗教団体の布教100年祭に備えてまちつくり計画を担当したことがある。
100年目の節目の年というということで、極めて綿密な計画を立て、必要な駐車場、宿泊施設、トイレ等を割り出し、そのために膨大な投資をした。
その結果、殆ど渋滞は起こらなかったし、信者の方は泊まる所に困ることもなかった。
しかし充分な駐車スペースを作ったら、「90年祭の時のように渋滞に巻き込まれ、やっと神殿に辿りつけたという有難さが消えてしまった」といわれた。
これには参った。
宿泊施設も充分な施設を作ったら、「90年際の時には、寝るところがないから、仕方なく、友人と肩を組んで、一晩中街を歩きまわった。
寒いから、たき火の周りに人が集まり、いろんなところから来た人と話ができた。
そんな感激も無くなってしまった」といわれた。
「90年祭のときには、老人はトイレを待っている間に我慢ができず、お漏らしをしてしまうこともあった。
そのお漏らしを、若者がサッと拭いてあげたが、そのとき、ありがとうといわれ、感激した。
今回は充分なトイレがあったため、お漏らしをしてしまう人もいなかった。そんな人と人の触れ合いの感激もなくなってしまった」といわれた。

渋滞や混雑や混乱をさけようとして、充分な施設を建設し、用意をしたら、感動、感激、有難さが失われてしまったというなんとも皮肉な結果になってしまったというわけだ。

計画者にとって、こうした現象をどう理解し、計画に取り込むかということは極めて難しい。

ラーメン屋さんも流行っているところは、お店の前に人が並んでいるのが美味しいという目安だ、だから人が並んでいるお店に行くといいよとよくいわれる。
逆に、だからラーメン屋さんは、適当な長さの行列ができるように工夫をするのだと聞いたことある。

しかし、ここで理解しなければいけないことは、渋滞、混雑は街の魅力でもあるということだ。
よくいう人が人を呼ぶというやつだ。
人気のない観光地はそれだけで魅力が半減する。
混雑している観光地は、人を見ているだけで楽しくなってくるということは誰でもが経験していることだろう。
人がいて海や山の景色も、建物の美しさも引き立つ。
ラーメン屋さんの行列もその類の話だ。

混雑、賑わいもオープンのとき状態をいかに長く続けるか難しい。

渋滞や混雑を避けようとして、バカでかい駐車場や道路を作っても、しばらくしてオープン景気が冷めた後になって、ほとんど車がいなくなってガランとした駐車場は、つくるだけ無駄だというだけでなく、そうして無理して作った駐車場が逆に、ショッピングセンターそのもの魅力を損ない、却って寂しいものにしているケースがよくある。

マリーナホップもそうしたことの典型的な例だといえる。

またホテル、プール、展示場等の観光施設、イベント施設は、特にそうだが、利用客の曜日変動やシーズン変動が大きい。
野球場だって、3万人の収容能力を越える時もあれば、優勝の可能性が無くなり、雨も降るような日は、選手や球場の関係者のほうが多いのではないかと思われるような日もある。
利用客がいつも同じく一定しているということはまずない。
そのことが経営を著しく難しくしている。

大混雑でもない、ガラガラでもない、適当な混雑をどう作り出し、維持していくかについて、経営者は常に頭を悩ませている。
それができれば、その施設の魅力を高めることにもなり、経営を安定させることにもなる。

オープン景気の混雑はどうしても一時的なものだ。
オープン景気の混雑に惑わされずに、しばらくたってオープン景気が去った後でも、球場に、街に、賑わいがあるようにするにはどうしたらいいのかを考えることが必要だ。

一番簡単なのは幾分小さめに作ることだ。
よくいう腹8分目というやつだ。

しかしそれではあんまり能力がない。

今度の新球場は、野球のない日にいってもそれなりに楽しめるような仕掛けが随所に施されている。
また広島駅から新球場に至る道に屋台をつくるという計画もあるようだ。
そうした仕掛けができれば、大混雑とガラガラの日の格差を少しでも少なくすることができる。
新球場はそうした面でもよく考えられている。

まあいずれにしろオープン時に大混雑があったからといって、その混雑に惑わされないことがないようにすることが必要だ。
混雑は街の賑わいなのだ。

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