ミュージックフェスティバル・HIROSHIMA
―広島の4大フェスティバル?
3月20、21日の2日間、市内のあちこちで、若者の音楽グループによるコンサートMUSIC CUBE 09が開かれた。
広島テレビと広島文化学園大学が協力して、「広島の中心市街地を音楽でジャックしよう」という試みだ。
なかなか粋なイベントだ。
会場の一つ、アリスガーデンでは通りがかりの人たちも、立ち止まって聞いていた。
さして広くはないアリスガーデンは人で溢れていた。
それにしても、同じジャンルのミュージシャンを、40グループも良く集めたと感心する。
しかし、改めて見てみると、こうした街中で行われるコンサートは世界のあちこちにある。
コペンハーゲンのチボリ公園では、公園の中のあちこちのコーナーでミニコンサートが開かれている。
こっちのコンサート、あっちのコンサートと聞いて公園の中を歩くのはなかなか楽しい。
そんなコンサートを聞きに、街の人々、観光客が集まってくる。
アメリカのナッシュビルにはカントリーウエスタンの街として有名だが、世界中からアマチュアのカントリーミュージシャンが名声と富を得る機会を狙って集まってくる。
週末の夕方には、そんなミュージシャンがダウンタウンの街角でカントリーのバラードを歌っている。
ナッシュビルの遊園地では、常時あちこちのコーナーでカントリーウエスタンのミニコンサートが開かれている。
そんな彼らの憧れの殿堂がグランド・オール・オプリーだ。
FM放送と一体になった仕掛けも成功の理由のようだ。
プレスリーはこの街の近くで生まれ、この街から育った。
この広島だって、広島から育ったミュージシャンは吉田拓郎始め沢山いる。
政令指定都市には珍しい音楽の専門の大学、エリザベート音楽大学もある。
広島県在住の音楽・芸能の分野のプロが数百人集まる「ひろしま音楽・芸能文化懇話会」もある。
高校、大学には、それこそ沢山の音楽サークルがある。
そうした人たちが、ナッシュビルの街のように、街のあちこちで野外コンサートができるようにしたらいい。
なにも音楽は建物の中だけに納まっている必要はない。
もっと水と空気と緑の空間に、解放してやればいい。
市民誰でもが音楽に親しめるようにすればいい。
この際、広島の街を音楽で埋め尽くす仕掛けをしたらどうだろうか。
今だってすでに、平和公園周辺の護岸の広場や元安橋の袂で、時々水辺のコンサートが開かれている。
基町クレドの前の広場でも時々コンサートが開かれている。
このMUSIC CUBE 09もその一つだ。
本通り商店街でもギターを抱え、歌っている若者は多い。
平和のため、そして広島のためだったら、無給で出演してもいいという音楽家も沢山いると聞く。
世界中から、そんな思いをもっている音楽家を広島に呼んでくればいい。
そうなれば、そんな音楽家の音楽を聴きたいと、世界中から人が集まってくることが期待される。
ボストンの郊外にタングルウッドという街がある。
毎年夏の間、その街の広場でボストンフィルがタキシードを脱いで、気楽な雰囲気の中で野外コンサートをする。
ベルリンフィルも夏の間、ベルリンの郊外の街の広場で野外コンサートをしている。
ベルリンフィルの森のコンサートとして有名だ。
そんな感じで、広島交響楽団も、野外コンサートを、市民球場の跡地の芝生広場でやればいい。
ボストンの公園では、「エスプラナードコンサート」と称する野外コンサートが開催され、対岸からの見物客も含め、毎年数百万人の観客を集めているという。
そこには、貝の形をした「ハッチ・シェル」というシンボル施設があり、それがシンボルとなって、求心力が増しているという。
花火大会も以前大田川で開かれていた。
大きな花火大会は今まで通り宇品港で開けばいいが、夏の間、ミニ花火大会を毎週土曜日の夕方市民球場跡地の前の元安川でやるようにしたらいい。
首都圏の遊園地では、毎週末に花火大会が開かれ、夏の風物詩になっている。
そんなにお金もかけていないようだが、かなりの観客を集めている。
コンサートと花火大会を同時にするようになれば、市民球場跡地とあの環境護岸の川べりと、中央公園の広場は最高の観覧席になる。
野外コンサートをするにも、それなりの舞台を作ったり、テントを張ったり、スピーカーを設置する必要があるが、そうした費用も数千万円もあれば、立派な会場ができる。
建物を作ることを考えたら、安いもんだ。
立派な建物は作ったはいいいが、中のソフトがなく、殆ど使われないという話はよく聞く。
そんな建物を持ったら後の維持管理費だって大変だ。
こうして音楽もイベント的にやった方がはるかに街の活性化にもなる。
7月の中旬から8月の末までの間、約40日、世界の平和を願って、世界中からミュージシャン、観客が集まって「ミュージックフェスティバル・HIROSHIMA」として行うのだ。
今週はポップス、次の週はジャズ、次はクラッシックというようにしたっていい。
やりかたはいろいろあるだろう。
「ミュージックフェスティバルHIROSHIMA」のコンサートの様子を、UtubeやUstreamを使って、ネット配信することも試みたらいい。
RCCやTSSと違った観客個人の視点での記録が配信されれば、全く新しいフェスティバルを生み出すことになるかも知れない。
そんなことができれば、この「ミュージックフェスティバル・HIROSHIMA」はそれこそヒロシマ、ひろしま、広島の概念を越えたイベントになる。
“音楽を通して世界に平和のメッセージを発信するイベント”となるはずだ。
広島市民球場跡地は「ミュージックフェスティバル・HIROSHIMA」の中心会場となるよう整備したらいい。
そうなれば、折り鶴ホールも「ミュージックフェスティバル・HIROSHIMA」のシンボルとして重要な意味を持ってくる。
広島には、春には平和大通りのフラワーフェスティバル、秋には広島城、中央公園のフードフェスティバルがある。
「ミュージックフェスティバル・HIROSHIMA」を市民球場跡地広場の夏のイベントとすればいい。
冬には平和大通りのドリミネーションがある。
そうなれば広島に春夏秋冬の4つのイベントが揃う。
市民球場跡地広場ではちょっと寂しい。
新球場跡地は「折り鶴パーク」とでも呼んだらどうだろうか。
折り鶴パークの「ミュージックフェスティバルHIROSHIMA」が、広島の4大フェスティバルの一つとなれば、それだけで数百万人の集客は可能だろう。
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