環境ビジョン21
12月14日(土)PM2時から「NPO環境ビジョン21」のシンポジュームが広島YMCAで開かれた。
参加者は100名位、立っている人がいるほどの盛況だった。

洞爺湖サミットが開かれ、温暖化対策が極めて重要な問題であり、緊急の課題だと指摘されたが、まだまだ一般的にはそんな大変な問題だとは受けとめられてはいない。
かなり情緒的に議論されている傾向もある。
環境問題は極めて多岐に渡り、相互に複雑に絡み合っていて、ちょっとやそっとで解けるような問題ではないことは確かだ。
そうした状況を見るにつけ、より専門家としての立場で、きちんとした科学的情報を発言していかなればいけないという思いから、広島を拠点とする研究者たち18名があつまり、広島大学中根教授をして「NPO環境ビジョン21」を発足させたという。
シンポジュームは発言時間が1人10分と極めて短かったため、説明が十分でなかったことは否めなかったが、それでも環境問題の基本的な流れを知ることができたように思う。
広島国際学院大学の佐々木教授は、「水」を長年研究してきた立場から、広島の水は軟水であり、汚れにくいのに、最近は上流の水も汚れるようになったと指摘する。
その理由は、山の手入れがされなくなったことで、台風や大雨があったとき、木々や表土が川に流れ込んでいるからだいう。
川の水の汚染対策という面からも、山の手入れが必要なのだという。
ちょっと意外な理由だ。
広島大学教授の井関氏は「海水」の専門家として、海水の温度が上がり、対流しなくなると、海藻が減り、プランクトンが減り、魚が減少するという。
瀬戸内海は平均38Mと浅く、水温は上昇しやすいという。
水温が高くなれば、魚の種類が変わるだけだと思っていたがそうではないようだ。
広島大学の佐久川教授は「空気」の専門家として、空気中のオゾンが増えると植物の生育が悪くなるという。
広島のオゾン濃度も増加傾向にあると警告する。
オゾンの濃度と植物の生育に関係があるとは知らなかった。
都市計画家の松波氏は、太陽熱は地球に70%吸収され、30%反射されている、化石燃料の使用、原子力発電はその構造を壊すものだと指摘した。
都市計画的、建築的にも考えなければいけないという。
金井塚氏は、ツキノワグマの里山に現われるようになったのは、奥山の荒廃が原因だという。
そのためにも、きちんと奥山の整備をしなければいけないという。
そんなに奥山が荒れているとは知らなかった。
原氏は自給自足のモデル地区として「環(めぐり)の里」を提案した。
地質学者の越智氏は、地下水位が下がると、表土が乾き、大雨の際地すべりが起こるという。
二葉山のトンネル工事の影響についても警告する。
修道大の三浦教授は個人個人が消費行動を通してCO2を削減する努力が必要だと訴えている。
なるほどと、初めて知ったことが多かった。
こうした事実を、もっと沢山の市民にも知って欲しいと改めて感じた。
最後に石丸教授が「この環境ビジョン21の活動の目的は、広島の環境問題がどうなっているのかについて知ってもらい、今市民が何をしなければいけないかということを考えてもらうことにある。いわば不都合な真実の広島版を作ることだ。」と締めくくった。
環境問題は、一人一人の市民の行動が極めて重要であることを思うと、こうして学者たちが大学から出て、直接市民に向けて発言していくことは極めてのあることだと思う。
まだまだ取り上げるべき環境問題のテーマは沢山ある。
中根教授等の「環境ビジョン21」の今後の活動に期待したい。
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