トヨタカップと都市対抗世界一決定戦
サッカーのクラブ世界一2008を決めるトヨタ・クラブワールドカップ(W杯)は、欧州代表のマンチェスター・ユナイテッ
ド(イングランド)の優勝で幕を閉じた。
ロナルドの上半身の軸のぶれない、華麗なテクニックに酔いしれた。
バレーを見ているような美しさがあった。
マンチェスターユナイテッドに敗れはしたが、ガンバ大阪も健闘した。
結局ガンバ大阪は北中米カリブ海代表のパチューカ(メキシコ)を1-0で下し、3位になった。
南米代表のリガ・デ・キト(エクアドル)のカウンター狙いのサッカーも、もしかしたらと感じさせ、サッカーの面白さを見せてくれた。
優勝したマンチェスターユナイテッドは4.5億円の賞金をもらったという。
金額も凄い。
サッカーは、どんなに貧しかろうが、ボール一つあれば楽しめるということもあって、今出は世界で最大の競技人口、観客を誇るスポーツとなっている。
ヨーロッパでは、クラブチームのヨーロッパNO1を決めるヨーロッパカップ(UEFAカップ)はオリンピックを越えるイベントとなっているようだ。
サッカーは、オリンピックにどこの国も最強の選手を出していない。
オリンピックにはU23(23歳以下)の選手を主体としたチームで戦う。
サッカーにはもう一つ各国代表が戦うワールドカップと呼ばれる大会がある。
日本人はワールドカップと言えばそちらだと思っているが、ヨーロッパではどうもそうではなく、ヨーロッパカップの方に熱狂しているようだ。
アメリカの野球のメジャーリーグのチャンピオンシリーズを、ワールドシリーズといっているようなもんだろう。
ヨーロッパカップの仕組みは大分面倒くさい。
なにしろ100チーム位が参加する大会だ。
アジアNO1を決めるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も今年から方式を変え、32クラブが参加する大会になった。賞金も今までの約3倍150万ドル(1.4億円)にするという。
このトヨタカップは、そうした地域で勝ち抜いた代表を集め、クラブ世界一を決める大会というわけだ。
ちょっと見方を変えれば、各クラブの拠点となっている都市の世界一を決める大会だともいえる。
マンチェスターユナイテッドはイギリスのマンチェスター市を拠点にしているし、ガンバ大阪は大阪市を拠点にしている。
サッカー選手は国の代表になることは大変名誉なことだとは思っているが、あくまで自分の働く場所はクラブチームだと思っている。
クラブの都合によって、国の代表になることを断わる選手すらいる。
ヴィッセル神戸の大久保嘉人は、ドイツの1部リーグのチーム、ヴォルフスブルクへの移籍することが決まった。
そこでのレギュラーポジション獲得はかなり難しいようだが、そうなると、日本代表に選ばれる可能性は殆どなくなる。それでも、生活がかかっているクラブでの選手となることを優先したということだろう。
サッカー選手は、マンチェスターユナイテッドの選手であり、ガンバ大阪の選手であることのほうを、国の代表となるより優先しているということのようだ。
サッカーのもう一つ注目すべき点は、世界中のどのサッカークラブも自国の選手だけのチームはまずないということだ。
マンチェスターユナイテッドのロナルドはスペイン出身だし、MFの李は韓国出身だ。
リガ・デ・キトの選手には、アルゼンチン、チリ出身の選手が何人もいた。
サッカーの選手、監督は世界を股に活動している。
サッカーはボーダレスなビジネスとして、最先端をいっているといえる。
ドイツは外国人枠を撤廃したという。
逆にドイツ人枠を作り、ドイツ国籍の選手が12名いれば、他の選手の国籍は問わないことにしたという。
そうしたこともあってか、今ドイツで活躍する日本人選手は、大久保も加わって5名になった。
ドイツの外国人枠撤廃の背景には新規フアン獲得の思惑もあるという。
スペインリーグのフアンは、国内2,000万人、国外8,000万人と8割が国外である。
ドイツの国内フアンは3,500万人と多いが、国外は1,000万人程度とまだまだ少ない。
つまりサッカーにあっては、選手の国籍を問わなくなっているだけでなく、観客も国籍を問わなくなっているというわけだ。
野球もサッカーも、国という境界線をどんどん溶かしていっているようだ。
戦争をすれば同じチームであった者同志、そしてサッカーを愛する者同志が殺しあうことになる。
そんなことのないようにするためにも、この都市対抗世界一を決めるトヨタカップの発展に期待したい。
そしてこの「トヨタカップを、世界市長会議」が支援するようにしたら面白い。
いかがでしょうか?
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