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2009年1月16日 (金)

公共建築物の老朽化

2001年現在、全国の公共建築物の延べ床面積は、国交省の調査では、7.0億M2あるという。
約2.2億坪だ。
それを今、建設しようとすると、工事費を坪50万円とすれば、110兆円になる。
日本は、とてつもなく膨大な公共建築資産を保有しているというわけだ。
それから7年経っているから、もっと増えているだろうと思う。

しかし資産があるからといって、喜んでばかりはいられない。
建物は月日が経てば老朽化する。
人間同様、介護=修繕が必要になる。
場合によって新しく建て替えなければならなくなる。
持っているだけで、膨大なお金がかかるのだ。

一般的にコンクリート建造物は耐用年数=寿命は50年といわれているが、実際にはこれを大きく下回っている。
この際、寿命を50年として計算しても、建て替え費用だけで毎年約2.2兆円の予算が必要になる。
一般的に修繕費は初期投資額の2%程度毎年かかるといわれているが、それだけでも2.2兆円兆円になる。
7.0億M2もある公共建築物は、その約5割が築20年を経過し、2割は30年を経過しているという。
古くなれば、実際は2%で済まなくなる。
これからが大変だ。
建築も、日本人がいままで経験したことのない少子高齢化を迎えようとしている。

一般的に建築も20年を越えると、コンクリートの中の鉄筋は錆び、コンクリートは剥離をしはじめる。
コンクリートが落下し、深刻な事故が起こっていることも報告されている。
ガラスを止めているコーキング材も劣化し、窓ガラスが落下することも懸念されるようになる。

こんなことをいわれても戦後の焼け野原から建物を作ってきた日本人は、たてものの老朽化がどんなことが、全く初めての経験だから、ピンとこないようだ。

全国の公共建築物は、大規模な改修工事、建て替え工事が迫られているが、財政逼迫の現在にあって、殆ど進んでいないのが現状だ。

広島市の公共建築物がどのくらいあるかはちゃんとは知らない。
しかし人口按分から全国の約1%とすれば、毎年約220億円の建て替え工事と、220億円の修繕費が必要だということになる。

耐震構造の基準も大きく変わり、耐震補強も必要となっている建築物も多い。

先日、広島市の学校建築696棟のうち、369棟の耐震補強が必要だと発表された。
半分近くの建物の耐震補強が必要だということだが、相当な額の予算が必要だろうことは想像に難くない。
災害時に避難所となる体育館については、耐震補強を05年度から優先的に進めていって、09年度中に201棟全ての耐震化を済ますという。

1

財政逼迫の現在にあって、全ての施設に対し、一斉に手を加えるわけにはいかないということで、優先順位をつけてやっていこうというわけだ。

公共建築物に限らず、戦後に建てられた建築物は、これからが、老朽化対策の本番を迎える。
公共建築工事のあり方が大きく構造変化するということでもある。
老朽化対策は手間暇がかかるだけでなく、かなり高度な知識、能力を要求される。
修繕工事、耐震補強工事、建て替え工事が増えるということでは、地元企業の新たなビジネスチャンスが来ることでもある。
地元の建設会社、設計事務所の新しい取り組みに期待したい。

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