映画「不都合の真実」から
何度も鑑賞の機会がありながらその都度、都合が悪く1年も見逃してきたアカデミー受賞のドキュメンタリー映画「不都合の真実を」を見た。
米国のクリントン米国元大統領の相棒だったゴア元副大統領の地球温暖化への取り込みを追った記録映画だ。米国で公開されて、たちまち記録的な大ヒットとなった話題作だ。
なにがこれほど世界的な観客を動員する要因だったのだろうか。
地球への危機感を感じている人達が多かった…と言うより、米国の副大統領だったゴアがエネルギッシュに語る説得力とそのカリスマ性が惹きつけた…と感じた。
学生時代から環境問題に興味を持ち議会活動や国際会議の場でも温暖化対策の必要性を訴え続け、2000年の大統領選でブッシュに敗れたのを機に本格的に取り組みを始め、世界中で1000回を超える講演を行った。
映画の内容は地球規模でCO2の排出実態を実写映像やデータを駆使して、どれほど環境破壊が進んだかを解説している。C02の増加、気温の上昇やハリケーンに竜巻にウイルスへの影響が新しい疾病を生むなど地球規模に連鎖する状況が理解しやすく判りよい。
ヒットの背景には大統領選挙で「企業利受益より環境問題を重視しているようなゴアに国を任せていいのか…」とあしらったブッシュは、利益優先の為に京都議定書の批准を拒否して環境破壊を続け、イラクやアフガンで戦争を泥沼化させている実態にあると思う。
もしも、ゴアが大統領だったら…と匂わせているあたりはストレートにブシュ政策を批判し民主党の支持を明確にしたマイケル・ムーアの「シッコ」等とは一味違う。
民主党が政権を維持していたらどうなっていたのだろうか?
京都議定書は批准されて温暖化に少しは歯止めがかけられたのか?
オバマ新大統領はゴアの環境政策をどれほど取り入れて実行するのだろうか…。
いろんな見方が出来だろう。しかし、今では、何と言っても世界に最も影響力のある米国が環境問題で今後どの道を進むのか?が“核廃絶”と並ぶ最大の今日的政治課題だ。
オバマは「グリーン・ニューディール(環境への投資で危機打開)」を掲げて、ゴアに閣内協力を求めている…ニュースが伝えられている。
環境破壊はテロ以上に地球規模で危険をもたらしかねない実態がある…と訴えている点がこの映画の最大のメッセージと言えよう。
改めて、この映画を通じて国民レベルで実行可能なCO2に対する意識変革を勧めたい。
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