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2008年11月27日 (木)

休日の家

大田川の上流、川に面して、おしゃれな建物が8棟並んで建っている。
何年かに渡って作られたのだろう。
少しずつトーンが違うが、どれも木造の小さな建物だ。

建物の前の道路はかなりせまい。
走る車はすくない。
通りすがりによる店ではない。
道を隔てた向こう側には太田川が流れている。
後ろは山。
集落からポツンと離れて建っている。

レンガの階段を上がって、の低い入口を潜ると、小さな部屋に入る。
その入口はちょっと背の高い人は頭をぶつけてしまいそうな高さだ。
天井は低く、テーブルも低い。
椅子は小さく、低い。小学校の椅子みたいな大きさだ。
全体に、茶室のような小さめの寸法で纏められている。
しかし柱にしても梁にしても、意外と太く逞しい。
この寸法のせいだろう、隣に座った人とも極自然にお喋りが始まる。
先日会った方は、写真が趣味だといっていた。
テーブルの脇には、その方の撮った写真が置かれていた。

太田川を望むテラスではサックスの演奏をしている。
こんなところでジャズが聴けるなんて思っていなかった。
お喋りもちょっと高級に感じられるからおかしい。
オーナー兼設計者だった今中敏幸氏は大変にジャズが好きだったという。

ベランダの手すりや木造のサッシが白いペンキが塗られている。
これがなかなかいい雰囲気を作り出している。
和風建築では、ペンキをつかうということはまずしない。
広島独特の茶色の瓦屋根の家もある。
蔵造りのような建物が高い柱の上にたっている。
河原からもってきたのだろう丸石が、スイスでよく見かけるような柱状につみあげられ、その積み上げられた石の中に木の柱がブスッという感じで埋め込まれている。
これも日本の建築ではあまりやらない方式だが、洪水等の際建物が流されないようにとの配慮からされたのだろうと思う。
その高床式のピロティーに置かれた椅子に座ると、なかなか気持ちがいい。
和洋の色々な方式が、今中風のデザインとして上手く纏められている。

スタバーやドトールのような都会の中のカフェとは、まったく異質の空間がここにはある。

1

建物の設計者の中敏幸氏は、5~6年近く前に、90歳で亡くなったという。
今中氏は元々仕立て屋だったそうで、いわゆる正規の建築教育は受けていなかったようだ。
設計図はなく、現場で大工に指示して作ったという。
それが却って、建築を勉強したものには作り出せない魅力的な世界を作り出している。

いい建築だ。
改めて建築の楽しさを教えられた。

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