97歳!!! ますます元気な日野原先生
今年4月に広島女学院大学で講演されて丁度半年、先週満97歳をお元気で迎えられた日野原重明先生が広島商工会議所の女性部創設50周年記念の講演をされた。
海外へはよく出かけられが、先月は日系移民百周年のブラジルに招かれて出かけられた。
日露戦争後、食料さえ無く渡航すれば楽に暮らせると、時の政府に唆されて移民した。
石川達三の体験小説「蒼茫」等で当時のブラジル移民の窮状は知ることが出来る。
現地には畑も田圃もなく山と言うよりジャングルばかり。10年後には金を貯えて帰国する…予定だった移民達と二世達は、祖国に捨てられた棄民となって開墾に農作に苦労した。
そのブラジルは今、日本人移民が築いた農業が国の大きな力となり外国からの輸入に依存しないで自給できる世界唯一の国になった。そして日本人はブラジルに百万人の日系人社会を築き経済や教育から医学、政治の世界まで着実な発展をして貢献している。
その実感を肌身に刻んで帰国されたばかりだ。
元気を絵に描いたように今日の一時間に及ぶ講演も立ちっぱなしの熱弁だった。
講演は「命と平和を もっと育てよう 女性の手で」…商工会議所の女性会創立記念を意識したテーマは広島が第二の故郷の日野原先生らしい配慮だろう。
まずは、日本は世界一子供を産まない国になった。東京の女性の出産率は一人(日本は1,29)だがフランスでは3人に近い。育児費や教育費を国が負担しており安心して子供が産める。しかし、日本では赤字財政を理由に子供と老人が切り捨てられている。近年女性の社会進出が結婚を遅らし出産を減少させている。これは欧米と比べて日本の社会には今だに女性差別が大きいと指摘し、政治の責任が大きいと厳しい。
日本の女性は男性より8歳長生きになっている。子供を育てる使命を負った母に力や役割を神が考えられたのではなかろうか…とクリスチャンらしい推論だが、何と言っても“命を生み育み、命の大切を伝え教える”重大な役割を挙げられる。
広島は原爆の被害を乗り越え、厳しく辛い体験を恨みでなく許しを持って平和を引き寄せることを伝える使命がある。嘗て哲学者のカントは「私を平和の道具にしてください」と言っている。小澤征二さんと3年前に取り組んだ「世界へ平和のメッセージ」はその思いの現れであった。広島の母と女性が二度とヒロシマを繰り返させない為に果たす役割は大きく…国民投票法で憲法が改悪される恐れを食い止める役割も極めて重要だ。
97歳の声は張りがあって会場に響き渡る元気さで、 広島の女性が“命と平和を守る闘いの先頭に立ってほしい”…との熱い思いを強く発信された。
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