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2008年10月13日 (月)

熱い思い「詩集・ふるさと―岩国」

 御庄博実さん(本名:丸屋博)から詩集「ふるさとー岩国」が送られてきた。

 『巨大に膨れあがる ふるさとの中の異国 今津川を泳いだ少年の夢は 黒い金属音に切り裂かれて 星の旗だけが 陽にひるがえっている』と米軍再編に伴って揺れる岩国を、悲しくも熱く謳っている…。岩国に生まれ原爆に遭い医師として平和活動に取り組んできた著者が、ふるさとに思いを込めた詩が詰まっている。

 私が丸屋さんに初めて出会ったのは“被爆者治療に熱心な協立病院の院長”を本年4月に亡くなった詩人の深川宗俊さんが事務局長をしていたことから知り、紹介され取材で出会った。もう30年も前のことだ。“長身で物静かな紳士“は詩人でもあった。

 丸屋さんは1925年(大正14年)生まれの83歳。旧制広島高等学校から岡山大学医学部を出て東京の代々木病院から倉敷の水島協同病院を経て16年間も広島共立病院の院長を務められた。一貫して医療生協の医師として地域医療をテーマに水島では公害問題と取り組み広島では被爆者治療に心血をそそがれた。自らも昭和20年8月6日、岩国にいたが広島が大変だと…被爆直後の広島に入市した被爆者だ。
 昭和24年、医学生の傍ら知己を得ていた峠三吉らと『われらの詩の会』を結成して詩人として朝鮮戦争や岩国基地やヒロシマをテーマに詩作活動に取り組んだ。

 昭和26年に発表した“飛行機虫”『どこからくるのか 空いっぱい 音を立てて飛びまわる 黄色い飛行機虫を いっぴき 石と石とにはさんで押しつぶすと ピチュ! 小さな金属音を立てて 血と硝煙の匂いが広がった…』が政令325号違反(占領軍行為阻害令)容疑で逮捕され、峠三吉たち仲間が釈放のため奔走した。プレスコード時代の産物だ。

 医師として詩人として取り組んだ業績は「原爆放射線の遺伝的影響」「劣化ウラン弾の罪」「公害に挑む」など医科学的論文から幅広い随筆、代表的な詩集は『岩国組曲』(’52年)『御庄博実詩集』(‘87年)『原卿』(’06年)等がある。反戦平和を呟き叫び、心を揺さぶる。

 「ふるさと―岩国」の中「花の香りーふるさとⅢ」の一節に『眠れない時間 僕は堀の桜並木を走っている…ふるさとの中の星条旗・第一海兵隊航空指令部「在日アメリカ合衆国 軍事施設・区域 無許可立ち入りは 法規により処罰されます」 僕は花の蕾にくるまって 秋ちゃんらと遊んだ 堀の桜並木を走っている 少年の夢を見たいのだが…』。
 丸屋さんが「ふるさと―岩国」に寄せる平和活動家・詩人としての闘いは、振り出しに戻った形で、これからも続く…。あふれる熱い思いが伝わる…。ささやかにエールを送る。

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