天才?「ジミー大西」個展
広島三越で一昨日から始まったジミー大西(本名:大西秀明・42歳)の「夢のかけら展」を見た。平日の午前中と言うのに大変な人出だった。百貨店が相当数の招待券を出していることが予測されるがそれでも尋常な数では無い。
ジミー大西と言えばいま流行りのおバカタレントのはしりのような天然ボケ・タレンとして売れ始めていた。高校時代から吉本に出入りし、明石家さんまの運転手をしながら一発芸を仕込まれた。さんまが運転手を打診した時、免許はないので自動車学校へ入った。「2週間で大丈夫…と言いながら、筆記試験が長引いて取得に半年以上かかった」ことはTVの画面を通して知られているユニークな芸人だった。
彼が画家になったきっかけは展示パネルを辿りながら探ると以下のようだ。‘93年読売TVの企画番組「タレント絵画オークション」に出品したジミーの作品が33万円と最高値がついて売れ、横尾忠則や岡本太郎が高い評価をして絶賛した。岡本太郎は「君は画家になれ」と「キャンパスからはみ出せ!」とエールを送っている。
これを契機にジミーは無限の可能性と夢を追い続けて「絵画と立体の融合」と言うべき挑戦をはじめ、93年に初個展を開催するが、’96年に画業に専念するため芸能界を引退しピカソの故郷スペインに渡り、今や活動の場は世界中に拡大中だ。
ジミーは岡本太郎のメッセージを「紙からはみ出すように描くこと」と理解していた。大阪万博で見た太陽の塔は「まだ幼かったが度肝を抜かれた。屋根からはみ出してるやないですか」でも「はみ出せ」はそうゆう意味ではない…気づいて悩むうち、岡本さんはこの世を去られて会う機会を逸してしまったが、今も「はみ出せ」をテーマに追及している。
しかし、岡本太郎がジミーの画才の片鱗を強く感じていた事は間違いない。百点を超える作品はピカソやマチスに並ぶ日本人の感覚をを超えた画家?を思わせる秀作ぞろいだ。
作品はキャンバスの絵画を離れて切手,CDジャケット、ポスター、オブジェ、ワインラベル、バスやモノレール・車や天然ガスタンカーの外装デザイン、モニュメントと幅広い。
絵画もアフリカからヨーロッパ、インドや中国にテーマを見つけた作品が溢れている
鮮やかな多彩と大胆な構図と独創的な作風は天才的だ。実にユニークで「夢」が詰まった楽しい展覧会だ。鑑賞を勧めたいが開催期間が5日までは短くて残念だ。
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