平和宣言の重み
被爆から63年目の原爆の日は暑さに変わりはないが、嘗てないくらい涼しさを感じた一日だった。気象的な条件が良かったかどうか判らないが夕方から陣取った元安橋東詰めの「小さな祈りの影絵展」会場周辺では凪もなく灯篭流しの川面を吹く風が途絶えることなく吹いて清々しさを感じることが多かった…のは何故だろうか?
朝の平和公園で行われた平和祈念式会場で団扇や扇子が揺れる数はTVを通して見る限り少なく、10時から行われた女学院の慰霊祭でも意外にそよ風を感じて?凌ぎよかった。
秋葉市長が発した今年の平和宣言もこれまでとは一味違った内容が盛り込まれた。過去何度か米国や核保有国に対して名指しで注文や要求を突きつけてはきたが残念ながら空しい結果に終わってきた。
今年の宣言には『…(核兵器廃絶を求める)人類の生存を最優先する多数派の声に耳を傾ける米国新大統領が誕生する事を期待します』と米国の大統領選挙の行方にあからさま踏みこんで強い関心を示し米国民の(核廃絶)多数派選挙に期待を寄せた。
それには、これまでと違う米国内の社会的政治的背景が大きく変化しつつあることが挙げられる。民主党の大統領候補者オバマ氏が「核兵器全廃と言う目標を核政策の中心に据える」と発言し、共和党マケイン候補も「レーガン大統領は『地球上から核兵器が無くなる日が我々の夢だ』と語った。私の夢でもある」と2人が「核のない世界」を語っている。
これだけで、楽観できるものでは無いが、昨年の1月と今年もキッシンジャー、シュルツ両元米国務長官ら米国の核戦略を推進した元高官4人が核廃絶を呼びかけ米国内で核軍縮論が活発化し始め、英国をはじめNATO諸国に波及し、核廃絶を求める声は世界の多数派…という状況が着実に生まれつつある。
加えて2020年の核兵器廃絶を目標にした「世界市長会議」には世界の2400近い都市が結集して、世界の都市の多数派は日々着実に拡大している。
全米50州の各州2か所とワシントンなど102か所で巡回中の「原爆展」は入場者数が徐々に増え“ヒロシマと被爆者“への理解者が増え、「原爆投下は戦争の早期決着のため正しかった」とか「戦争死者100万人を食い止めた」など大多数の米国人が持つ戦争観に対し「原爆投下は間違いだった?のではないか」との声も出ている…と伝えられている。
こうした、米国を中心に起きつつある核を巡る状況は実現可能なところに来ている。
9月、日本で初めて開かれるG8下院議長サミット広島開催も、今後の『核兵器廃絶・多数派』の推進に大きな役割が期待できる。
一方最近、佐世保や横須賀などで相次いで米国の原子力潜水艦や原子力空母からの放射線漏れ事故が発生したが日本政府、外務省はのんびり受けの構えだ。直接、非核三原則に抵触するものではないが広島・長崎が被爆63年目に世界に発信する「平和宣言」をないがしろにしかねない要素を孕んでいると思えてならない。
式典に参列した福田首相は「…非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立って行く…」約束した。
しかし、現在世界では“核廃絶多数派“拡大の反面、核拡散の危険も現実のものとなり核兵器の使用さえ危ぶまれる状況にある。
このため、広島市は非核三原則を更に推進し、核兵器廃絶を進めるために、核兵器を『作らせず、持たせず、使わせない』という“新・非核三原則”も提唱している。
今年の「平和宣言」がより重く着実に前進する事を期待したい…。
1歩前進の可能性は大きい。
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失礼します。こちらから2件トラックバックを送らせていただきましたが、うち1件を二重に送ってしまった可能性があるので、その際はお手数ですが削除していただけますか。初めてお会いいたしますのに不調法で申し訳ありません。(このコメントは非公開でかまいません)
投稿: エストウォルド | 2008年9月 1日 (月) 10時15分
始めましてsblogです、只今 タウンNEWS広島 平和大通り さんの記事を拝見致しました、有難う御座いました。
頑張って下さい。
投稿: zblog | 2008年9月 1日 (月) 10時20分
いよいよG8ですね。
オバマ氏には頑張って欲しいところですが、微妙な情勢が続いています。そんな中、グルジア紛争も明らかに大統領選挙を睨んで米国が裏で仕掛けたようにしか思えないのですが、ロシアもロシアで、どっちもどっちです。
しかし中東を見ても「これが正しい」という正解がなく、どっちもどっち状態ですが、だからこそ、人類の英知が試されているのだと思います。武器に頼らず、頭と心でしか解決できないということを、皆が認識すべきです。
投稿: 次郎 | 2008年9月 1日 (月) 11時24分