教育者の汚職
大分県の教員採用を巡る汚職事件は全国的に“教育不信”を拡大していると思う。
本当なら合格していた人の得点を下げて教壇への夢と希望を打ち砕いた。校長が金でわが子の採用を頼む。採用だけではない、管理職への登用も堂々と賄賂が大手を振って罷り通っていた。不正は組織ぐるみの可能性も強まっている。
先日以下のような新聞投書を目にした。『… 10数年前まで、私大で教員をしており、教員を目指す教え子もいた。中には英語の発音もままならず、教員には不向きと思った学生が“教員になりました”と報告に来る。いぶかる私に“父が校長ですから”と答えて唖然とさされた。しかし、教員に適任と思った学生が不採用の連続だった。立派な成績の学生でも、採用試験の合否は学校関係者の面談がモノを言うようでした。結局、教員になるにはコネが大事である事が判った。…自分も教育関係者に口利きを頼むようになり、みな採用された。金品のやり取りはなかったが、これも不正…』と告白し、また別京都の人は声欄に『…今年度の小学校教員採用者の内半分は県教委幹部の口利き…』と告げている。
広島県が戦後の一時期“教育県”を標榜したことがある。県内各地の公立高校から旧帝大系の国立大学に束ねて入学した時期だ。学区制や入試方法などの見直しと中高一貫の私立高校の台頭に合わせて公私の力が逆転し、次第に公立校が荒廃し後退が進んだ。
そんな時期に、全国的な傾向として「採用はテストだけでなく人物を見る面談」に大きな比重が置かれるようになった。文部省の指導による日教組対策の一つで古い保証人制度のような関係者の口利きや推薦が幅を利かせだした。
教員は大人と対等に付き合う世界が狭く、子供を上からの目線で見ている。社会性が極めて低く上下関係がはっきりした村社会とか派閥社会と言われてきた。情実の世界、コネ社会とまで指摘する人は多い。
県会議員を取り巻く仕事?の一つに“お世話”がある。就職、結婚、進学を巡ってそれぞれお世話の程度によるが“就職・仲人百票、人事移動50票”とお世話活動を揶揄する向きがあった。実際はこれ以上の票を依存するのが議員の力?とばかり言われていた。
特に教員採用に口利きするのは県議の特権、当たり前と考えている人が多くいた。まして、県北の学校から市内や周辺の学校へ呼び戻す働きかけは当たり前のようにされていた。
金銭が絡んでいたかどうは判らないが、私が知る範囲でも“教育界での口利き”は日常茶飯事だった時代はあった。
大分で県議は「口利きは通常の議員活動」と言って憚らない議員がいる現状は「広島はどうなのか?」との不安を持つ人も多かろう。いや、全国各県で同じ不安と疑心暗鬼の人のためのも各県教委は速やかに応える必要がある。
教師はエコ贔屓し、親たちはピアレントモンスターなどと言う自分勝手な父母が増える時代であるが、それだけに教育現場の信頼を取り戻す必要がある。
県教委は昨日(7月16日)「教員採用試験の合否結果について、県議らの問い合わせに応じていた」とし「合否結果に影響していないが、誤解を招く恐れがあるので止める…」としている。「問い合わせ…」があると言うことは、図らずもその前に「口利きがあった」と言う裏付けを示しているようなもので…むしろ逆に“頭隠して尻隠さず“の疑念が強まる。
「ありません」「やっていません」と通り一遍の言い訳でなく、教員採用と移動などを巡って県民が納得のいく「公正で厳正」の策を示すことが急がれる。
こんな機会に人事は文科省に一本化と言うようなことになっては、余計にいけない。
組織ぐるみの恐れさえ指摘されている。「教職汚職」は諸悪の根源と位置づけ、万一発覚した場合、各県とも教育長以下が総退陣するくらいの規約・罰則を導入するくらいの覚悟が示されてよかろう。
失った信用と猜疑心を取り戻すには各県・各自治体教委は大幅に民間の知恵と力を大胆に取り入れて総懺悔・改革実践しかない。
« 映画「原爆の子」 | トップページ | 癌へ再挑戦 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 中国の原子力発電は2%(2026.04.05)
- 4月3日のブログをそっくりAIのgemiに問いかけてみました(2026.04.07)
- トランプ大統領に教えてあげたい・・・(2026.04.03)
« 映画「原爆の子」 | トップページ | 癌へ再挑戦 »




コメント