“生きる”が テーマの「影絵展」
平和公園に繋がる元安橋の東詰の河岸で8月5~6日の夜開く「小さな祈りの影絵展」は4回目を迎え、今年のテーマに“生きる”に決まった。
この影絵展は影絵作家の浜崎ゆう子さんとこの影絵展の企画発案者で広島出身の映画の美術監督部谷京子さん、開催とその後の巡回展を支える高林真澄さんら部谷さんの同級生たちが心を合わせて維持継続してきたその名の通り“影絵を通して”「原爆犠牲者の慰霊と恒久平和を祈る」企画展だ。一作家の個展にしたくないと言う浜崎さんの強い思いから幼稚園児から小中高校生に大人も参加したワークショップでの作品制作も恒例で、地道な平和活動として根を張りつつある。影絵を前に父母が子に祖父母が孫に伝える姿は感動的だ。
本番展示は5日と6日の夕方から夜10時までの短い時間だが、毎年10ケ所前後の移動展示をしてきた。この1年は市民交流プラザ、フレーザー幼稚園、女学院中高大学、中国新聞ロビーなど。そしていま鷹野橋の広島市女性教育センター2Fに展示中で定着して来た。
第一回の‘05年のテーマは「なつかしい広島の風景」’06年は大平数子さんの原爆詩「母」、‘07年は「なつかしい子どもの遊び」だった。
70年は草木も生えないと言われた焦土から立ち上がり懸命に『生きた』被爆者の拠り所は何だったのか?被爆した人々に『生きよう』と突き動かしたものは何だったのか?優しい言葉や一握りの米、庭の小さな木枝に吹いた芽や夾竹桃の白い花、わが子の笑顔や赤とんぼなど生きとし生けるものだった…?に違いない…。
今年は『生きる』をどのように表現するのか興味津津である。
<浜崎ゆう子:影絵プラネット http://www.geocities.jp/hamayujp/>
浜崎さんは毎回テーマの設定に当たっては多くの被爆者や関係者の声を直接聞くヒヤリングを大切にし、今年もすでに数回広島に足を運んでこのテーマ『生きる』に至った。
6月21~2日のワークショップには城北中高校の社会問題研究会の20余名が参加した。
どんな『生きる』を掴み、表現するのだろうか。
多くの声や反響を1月余りの間にどう表現するか浜崎さんの格闘が始まっている。


浜崎さんは影絵作家のほかに意外なもう一つの顔を持っている。
実は長年、原爆映像の整理・編集に携わってきたエディターなのだ。
日映新社が被爆後いち早く広島・長崎で撮影した「原爆フイルム」の画面ごとのチェックや確認をしてライブラリー・データーを作成してきた。
被爆直後の広島と被爆者にモノクロ・フイルムの中で繰り返し出会って来た人なのだ。
被爆の実相を克明に正確に理解してきた人です。
その出会いの中で、自分が出来ることは何だろう?と考えてきた人です。
亡くなった方達の追悼と深い傷を持って生きてきた人達への“ささやかな癒し”と目をそむけようとする人達に“想いを伝える工夫”としての試みが『影絵』として活かされた。
決して声高に叫ぶでも語るでもなく、電燈に照らされて命を吹き込まれた「小さな影絵」が発する『ヒロシマの想い』を見る人たちの心の襞に刻み込みます…。
「この小さな平和活動」は世界に通用するヒロシマの新しい息吹になって発展する可能性を十分に秘めた魅力的な素材ではなかろうか。せっかくの新しい息吹を支えられる草の根組織?が市民の間に生まれないか…いい提案が出来ないかを課題として考えたい。
今年も、8月5日、6日の夜。元安橋東詰の「小さな祈りの影絵展」に一人でも多くの人が、家族が足を運んで下さって、一緒に考えて頂くことを願いたい。
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