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2008年5月23日 (金)

建築資材のリユース

―精密解体ビジネスの可能性

 広島市の抱えるゴミ問題は深刻である。世の中豊かになるに従い、使い捨て製品の増加などもゴミの増加の原因となっており、ここ3年、ゴミ排出量はわずかに減少傾向にあるものの、依然として高い水準にある。現在、広島市で排出される可燃ゴミは清掃工場で焼却処理し、不燃ゴミは玖谷埋立地で埋め立て処分をしている。しかし、施設の処理能力にも限界があり、もしこのままゴミが増え続けるならば現在の処理能力では処理しきれなくなることが予想されている。
 そのゴミ処理費用も膨大な額になっている。それが増加傾向にあることも問題である。 平成14年度は年間128億円もの費用がかかっている。つまり、毎日3500万円もかけてゴミを処理しているわけである。
 この現在の深刻なゴミ問題を解決するため、広島市は「110万人のゴミゼロ宣言」を行い、大量のゴミを可能な限りゼロに近づけ、環境への負荷ができる限り低減される社会を目指して取り組む強い決意を示した。
 広島市は、平成20年度に向けた具体的な目標として3つの目標を掲げている。第1に、リデュース、つまり生活様式を見直してゴミ排出量を20%以上削減すること。第2に、リサイクル、分別を徹底してリサイクル量を約2倍にすること。第3に、減量とリサイクルで埋め立て処分量を50%以下にすることである。現在広島工大を中心に広島市、民間企業、市民の有志が参加して「建築資材リユースの研究」が進められているが、この3つの目標達成の上ではその果たす役割は大きいと期待される。
建築資材リユース研究会の活動報告によれば、ユンボのような機械を持ち込み、グチャグチャに解体する(ミンチ解体)と、瓦とか壁、柱を一つ一つ丁寧に解体する(精密解体)とでは、それほどの費用に差がないということが、広島工大の研究で実証された。通常30坪の住宅を解体するには150万円程度の費用がかかるといわれているが、精密解体でもその程度の費用ですむというわけである。

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 精密解体では瓦、柱、便器等は職人の手で丁寧に取り外されるので、それらの資材は再利用が可能となるが、ミンチ解体ではグチャグチャに解体されるわけであるから、解体された資材は燃すか、捨てるかないわけであるが、両者には大きな違いがある。精密解体は建築資材を再利用するわけであるから、資源の節減、CO2節減には大きく貢献することにもなる。日本のように資源の乏しい国にあってはその価値は大きい。この精密解体のように手間隙かけて解体しても、ミンチ解体とそれほど費用に差がないのは、廃棄物処理法により、最終処分の費用が嵩むようになったことと、厳格な区分けが義務付けられるようになったことで、区分けを後でするか、
 先にするかの違いだけになったことにもよる。と同時に、精密解体をするには、作ったときの職人の技を必要とすることになり、解体に伴う隣近所への粉塵の迷惑もなくなり、とかく顰蹙を買うことの多かった、いわゆる解体業者ではできない作業でもある。精密解体は幾つものメリットがあるが、建築資材の再利用ということになると、まだまだ解決しなければいけない問題は多種多様に、そして膨大に残されている。
 例えば、その資材の強度、性能等の品質保証をどのようにするのか、リユース資材の需要をどのように作っていくのか、そしてそうした資材の販売流通ルートをどのように確保するのか、どこにこれから解体される住宅があるのか等まだまだ解決すべき課題は多い。それはそれだけあらたなビジネスチャンスがあるということでもある。新たな企業の参入が期待される。
 また鉄筋コンクリート造の建築にあっては、絨毯にしても壁紙にしてそれぞれの資材が糊付けされていることが多く、精密解体が難しく、建築資材の再利用ができない部材が多いのが現状だが、今後は鉄筋コンクリート造の建築に当たっては、解体後の再利用を考えて設計することも必要になってくる。それは現在の建築のあり方を大きく変更することになるだろう。
 古民家の建築資材については、流通ルート等が整備されつつあるが、一般住宅の建築資材は全く手付かずの状態にある。オーストラリアには住宅の解体を無償で請負、その解体した資材を販売しているお店もあるという。日本の住宅の平均寿命は26年程度という。これから寿命を迎える住宅が大量に発生することが予想される故に、このような住宅の循環システムを作ることの必要性は今後益々高まることが予想される。 
 温室効果ガスCO2を如何に削減するかも時代のテーマになってきた。秋葉広島市長は今年を「温暖化対策行動元年」とし、様々の活動を支援する姿勢を示している。熱帯雨林の伐採も問題視されるようになった。山の中に、熱帯雨林に建築資材があるだけではない。街の中にも豊富な建築資材があるということを認識すべきだ。そしてリユース材を使うということは、CO2削減にも大きく貢献するのは明らかだ。
 このように建物の「精密解体」ということには、廃棄物の削減、建築資源の有効利用、環境負荷の低減、さらにはリユース資材の販売ビジネスの誕生を促すというように、その可能性は大きい。
 いずれにしろこうした循環型社会の形成は市民、そして企業の協力なくしては実現できない。市民一人一人が自分のライフスタイルを見直し、リデュース、リサイクル、リユースの3R社会の実現に向けて、具体的に行動を起こしていくことが今求められている。

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