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2008年4月 4日 (金)

映画「母べえ」に込められた“核廃絶の願い”

 昭和15年の東京を舞台に戦争に反対を唱える夫が思想犯として囚われの身になり、荒波に翻弄されながらも懸命に生きる母と娘を通して昭和の戦争を背景にした時代を描く。
 
 父と母、娘2人の野上家は、互いに「父べえ」「母べえ」姉の初子は「初べえ」妹の照美は「照べえ」と呼び合う家族だ。大学でドイツ文学を教えていた「父べえ」が治安維持法で検挙された野上家の生活はたちまち一変する。戦争に反対をし、国を批判する者は『国賊』扱いにされた時代だ。
 父の教え子で出版社に勤める山崎は夫と面会を求める「母べい」のために奔走し「山ちゃん」と呼ばれて一家の大切な支えになる。父の妹で美しい画学生の叔母は2人の姪の良い姉役をつとめるがやがて山ちゃんにほのかな思いを寄せる。しかし、山ちゃんが「母べえ」を慕う深さを知ってやがて故郷広島へ去って行く。
 開けっぴろげで遠慮のない叔父が転げこんで騒動を巻き起こすが「母べえ」の心のよりどころとして家族の絆を結びつける。そんな時「父べえ」の獄中死が知らされる…。

 原作は長年、黒沢明監督のスクリプターを務めた野上照代さんの家族の思い出を綴った自伝小説「父へのレクイエム」。
 少年期を満州で送った山田洋次監督は山口県宇部市に引き上げ旧制中と高校時代を過ごした。多感な少年の筆舌に尽くせない戦争と引き揚げ体験は多くの映画の中で家族の絆や愛情をテーマに活かされ「寅さん」や「故郷」などで“平和”が描かれてきたのだろう。

 劇中、兵役検査ではねられた?山ちゃんにも召集令状がきて「母べえ」に『覚悟はできています』別れを告げる。「母べえ」はすざましい形相で「死ぬ覚悟ですか…とんでもない」と言下に「生きろ・命を大切に」とせまる母の強い思いが伝わって胸が震える。
 母の優しさと強さを通して戦争と言う激動の時代と今を深く考えさせる作品だ。
 
 東京出身の野上さんの原作にあるかどうか知らないが「父べえ」は広島の出身。妹久子は故郷広島に帰って原爆に見舞われて原爆症で逝く…何気ない設定。兄上が広大を卒業後、広島の高校で教職を終えて広島に住んでおられる家族環境と自らの戦争体験から生まれる平和のメッセージとヒロシマに寄せる思いは人一倍、強いと思われる。

 決して声高にまた正面からは戦争反対も平和も発しない。しかし、何気ない故郷広島と言う劇中設定はまぎれもなく「母べい」に言わず語らずに“核兵器廃絶”の熱いメッセージを託している…と受け止めることが出来る。
 若い人や親子で、出来れば三世代で一緒に見て欲しい映画だ。

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