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2008年2月 7日 (木)

伝家の宝刀?

 衆参の“ねじれ国会”で最大の焦点だった給油支援特別支援法が57年ぶりに衆議院の「伝家の宝刀」が抜かれて決着した。通常国会で再び「伝家の宝刀」が抜かれる恐れが心配だ。

 衆参で議決が異なった場合、「衆議院で出席議員の三分の二以上の賛成で再議決すれば法律が成立する」という憲法59条に基づいた議決だ。だから福田首相は「国会状況からやむを得ない」と言うが、それで良いのだろうか。

 国会が厳しくチェックする文民統制が原則の日本の防衛・自衛隊をいわば“非常手段”で動かせる法律をつくることが、この先日本の平和を維持する上で禍根を残すことにはならないのか気がかりだ。

 業者との癒着で高官が逮捕され族議員と米国軍需産業の不透明な関係や給油量の隠蔽など国民の知る権利が保管されない問題が山積するなか、世論調査で「給油新法」に国民は半分以上が反対だった。これに対して米国が求め米国に配慮した“国際貢献の継続”に国民はどれだけ納得しているだろうか。

 当初は首相の問責決議で解散に追い込む予定だった民主党の世論作りの失策が、再決議という重大議決の段階で小沢代表が本会議を欠席して大阪府知事選の応援に出かけ、野党の足並みが乱れるなど国民に不信を拡大させた責任は大きい。

 9・11に始まる米国のテロとの戦いに東欧やスペイン、イタリア、オーストラリアと政権交代で協力を転換の方向にかじ取りした国は少なくない。日本の給油協力が米国内と関係国でどれだけ評価されているかよく分からない。あるのは日米の安保ロビースト間での評価に過ぎないと言う報道も多いい。

 通常国会が始まり民主党はガソリン税の暫定税率廃止を掲げ、政府与党は3月の期限切れを控えてこれらを含む予算案の年度内可決を再議決で乗り切る認識で一致している。

 無策の福田内閣では「違法ではない」と度々まかり通る恐れがあり、参議院の野党多数は何の力も意味もないことになる。与野党の協議が進まなければ解散総選挙しかない。

 通常国会は「伝家の宝刀」で一気に政局はらみに展開するのだろうか。
 再議決が頻発すれば「伝家の宝刀」も国民の血を吸う「辻斬りの刀」になりかねない。
 与野党とも「ねじれ」時代の政治の在り方進め方を探る厳しい努力が求められる。

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