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2008年2月14日 (木)

クレーマー

 近頃、何事にも、すぐクレームをつける人が増えているという。お店や駅で、すぐ切れて怒鳴ったり、殴ったりする人が急激に増えているのだという。怒り、不満を、他人に対して爆発させるのだという。
 警視庁の調査では、暴行事件にまでなっての検挙者数が、ここ5年くらいの間に、5倍にもなっているという。
 クレームには、それなりの根拠があることも確かだが、どうも近頃はちょっと様子が違ってきているようだ。
 そうした状況を、神戸女学院大学の内田樹教授は「市民が自分の所属する共同体に、当事者意識を持たなくなったとき、クレーマーと化す。自分の利益の獲得のために、共同体の破壊も辞さなくなった。1億総クレーマー化している。クレーマーは、自分なんかが蹴っても、叩いてもシステムは壊れるわけがないと思っている。だからそこから利益をどれだけ引き出せるかだけを考えるようになっている。」と分析する。
 以前「妊婦が搬送中に死んだ事件があった。そのとき病院は悪い、行政は何をしているのかと、誰が悪いのか犯人探しがされた。しかし、救急車で運ばれる妊婦は、いままで診察をしてもらったこともなく、どんな病歴があるのか解らず、危なくて医者としては触れないのだという。また病院としては産婦人科の医師不足ということもあり、今抱えている妊婦で手一杯だということもあるようだ。さらにはそうした類の妊婦は料金を払わない、払えないということもあるという。そうした様々の事情が背後にあることがだんだんわかってきた。さらにはこうしたクレームに晒されることが嫌で、産婦人科医のなり手がいなくなっているともいう。
 「マスコミがそうした権利要求に唱和してクレーマーの大群を養成してきた。そろそろそうした“モンスターペアレント”を育てるようなネガティブなありかたを止めたほうがいい」という発言も見られるようになった。大きくなったクレーマーをモンスターペアレントというようだ。
 クレーマーの増加に、法科大学院の設置で弁護士の急増がさらに拍車をかけそうだ。
 アメリカでは、交通事故の現場に最初に駆けつけるのは、パトカーでも救急車でもなく、弁護士だという。裁判は弁護士にとっては儲けになるのだという。熱いコーヒーを飲んで火傷した客が、出した喫茶店が悪いと裁判を起こし、結局かなりの額の補償金を取ったという例があると聞いたこともある。日本でもそうなってきた。
 補償金目当てに文句をいう人も、事実多いようだ。数十万円であれば、金で解決したほうが、面倒がないと払ってしまう企業があることもよく聞く。それに味をしめて、何かといってクレームをつける人も増えてきているという。
 暴走族は、迷惑をかけていることがはっきり見えているから、まだ対処しやすいともいえる。
 しかしクレーマーの言い分には、一応それなりの根拠があるだけに、対応は厄介だ。
 アメリカは、裁判で消滅するという人もいる。クレーマーに対し、しっかり社会が見張っていかないと、社会が壊れてしまう怖れが出てきた。社会はそんなに頑丈ではないということを理解する必要があるようだ。

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