北朝鮮被爆者対策?から日朝和平へ?
昨年末、押し迫って旧来の仲間数人と忘年会をした。席上、30年余一貫して朝鮮人被爆者問題に取り組んできたR氏から日本政府の日朝外交の意外な裏面を聞いた。
昨年秋以来、北朝鮮をめぐる情勢が大きく変わりつつある。一昨年10月の北朝鮮が核実験して以後、昨年は6者協議に合わせて米朝交渉が急速に変わってきた。任期内の核問題の解決を目指すブッシュ政権の姿勢が強く滲んで、北の核施設の無能力が進んでいる。
それに合わせた拉致問題は具体的な進展を見ていない。
R氏は一昨年秋20回目の訪朝途上に北の核実験があり途中から引き返し時を待っていた。
昨年11月に原水禁の代表と一緒に訪朝し北朝鮮の被爆者組織や被爆者たちと会った。
北朝鮮に在住する被爆者は現時点で千人足らずで、広島長崎から帰国した被爆者の実態はいまだに不明確なままである。北朝鮮政府をはじめ北を支持してきた在日朝鮮人の総本山の朝鮮総連も被爆者対策について要求や請求はした事はない。一貫して日本政府に対しては平和条約の締結が前提にあるからである。
戦後30年目の’75年8月に在日朝鮮人被爆者が結成した「広島県朝鮮人被爆者協議会」は朝鮮総連の下部組織ではなく「核廃絶と被爆者救援」を中心に自立の立場で活動をしてきた。R氏は総連幹部だったが事情があって離れた。しかし、決して民団には移らずこの組織の中心的存在として広島市や対政府に対する在日被爆者対策などを求める7者協議会のメンバーとして活動してきた。
そのR氏の20回目の訪朝で北の対応が従来に比べて変わっていたと言う。これまでは常に日本の平和団体や労組の代表の介添役だったのが副団長的扱いに変わっていた。帰国すると外務省から面談の申し入れが来た。谷内事務次官が応対して北朝鮮在住被爆者に対する日本政府の今後の対応について打診された。もちろん彼は北の政府や総連の組織人ではないので個人的な考え方を述べたに留めたと言い、ここでその内容は触れない。
拉致問題が置き去りになって前進が見られない中で北に厳しかった安倍内閣が退陣し、福田内閣の誕生で日朝の平和条約締結と言う小泉首相が同意しその後ストップしている命題に風穴があこうとしているのかも知れない。
拉致問題は平和条約締結と同時に並行して進める事が大前提になるという常識的な考え方だとすれば、外交の裏舞台で北の被爆者対策と言う小さなパイプを通して大きな動きが粛々と進められている可能性が高いと見てとれる。
今年は長い間足踏みしてきた日朝間の問題が「北の核の無力化」の蔭で一気に進む気配として捉える事が出来る。
選挙を控えて人気低下に喘ぐ福田内閣の支持率回復へのサプライズ狙いかも知れない。
日朝間の歴史的課題が“村山談話”が活かされ日韓と同じレベルの経済援助が前提で進展すれば両国間の戦争状態に終止符が打たれ、当然のこととして拉致問題も解決の道が開かれることになる…という初夢を期待したい。
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