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2008年1月14日 (月)

仏の歴史学者マルゴラン氏の伝言

 暮れの28日、フランスの大学に留学中の広島出身のDさんが来日中の仏の歴史学者を案内してやってきた。原爆資料館の東館の展示を見るのが目的だった。
 
 ジャン・ルイ・マルゴラン氏は仏蘭西プロバンス大学の教授でアジアの戦争犯罪を中心にした歴史研究家だ。’97に発表した共著「共産党黒書(コミュンテル・アジア篇)」はベストセラーで今年発行の「ソ連編」は優良歴史書として受賞をしている。

 彼は過去に2度広島を訪れ原爆資料館を見学している。今回の来日は明治大学で開かれた「南京事件70周年 国際シンポジウム:過去と向き合い東アジアの和解と平和を」にパネリストとして参加し、中央 大学や立命館大学でも講演した後、広島に足を延ばした。

 江田島の「日本海軍の戦史資料館・参孝館」の見学に時間がかかり約束の時間を大幅に遅れての到着だった。早速、アポを取っていた前田館長に面会した。
 今回の取材目的は‘96に開館した東館の陳列展示がどのようにされているか。原爆投下に至る広島の前史の展示に最大の興味があるようだった。

 日本各地で見た戦争博物館では政治的意図を感じるものがあったが、ここでは展示内容の検討は誰がどのような形で行ったのか。中国・朝鮮・アジアとの関わりがどのように展示されているか。今後、展示内容の再検討はするのかなどを矢継ぎ早に質問していた。
 原爆の恐ろしさ悲惨さに戦争の暴力―具体的に<被爆者がいなくなる時代>の“核廃絶”を繋ぐ継承はどのように考えているか。学生生徒・若者にどう伝承するか…。

 東京のシンポジュウムで彼は、市民による文化的交流を経て戦争認識の話へと移行していったヨーロッパの過程に触れ「遅々とした動きであったが下から上がって来る動きこそ大事だ」と参加者を激励し「南京事件の記憶を人類の記憶に留める営みが国境を越えた市民の連帯と対話、学者による研究を基礎に国家間の和解が進められる」というシンポの趣旨に「それを実現できるのは市民運動」というエールを送っている。
 被害者・市民の声が反映される意議が大きいとの趣旨のようだ。
 
 御用納めの日の閉館時間が迫る中で時間をかけて展示をみる事が出来なかった。
彼は私に対して外国人歴史家の立場から今後の展示について2つのメッセージを残した。
 
 「広島は地方都市」であると同時に「国際的な様々な意義づけ」がされてきた点で地域史を尊重すると同時に国際関係を視野に入れた地域史の文脈化を強調している。
 ①被爆者だけでなく、その他の人々の数を明らかにして比較しながら、当時の広島の人々の流れが見える展示。
 原爆投下前の広島の軍需工場でどれだけの人間が働いていたか、朝鮮人中国人の強制連行の労働者。大陸に渡った日本軍人戦死者・生き延びた人、外国人捕虜などと原爆死没者を比較した表示。人の動きが見える展示で国際的なアプローチが拡大するとの考えだ。
 
 ②呉や広島にあった軍需産業が日本の軍需産業の中でどれだけの重要度を占めていたかを示す生産量、消費量などを数字で比較した「広島の軍事都市化」の視点を導入する。

 可能であれば展示内容を検討する委員会へ自分の考えを提示したいとの意欲も見せ、“米国での原爆展“や”世界市長会議の取り組み“にも強い関心を示していた。
 
 閉館時間になって資料館の出口は100人近い見学者がいた。今年最後の開館日の最終見学客の多さに驚いた。今年の入館者は昨年を上回る130万人台だと聞いた。
 
 国や自治体が運営する美術館や博物館の新年のオープンは役所と同じ4日~5日の所が多いいと聞くが原爆資料館は2日から開館している。今年も、内外から多くの人を迎えるだろうが率直な意見や提案が反映できる仕掛けも必要ではなかろうか。

 仏歴史学者の原爆資料館に寄せる伝言にどれだけの思いが込められているか判らない。彼の伝言をどれだけ理解できているかどうか不安は残るが政治的には中立公正の立場が旨の原爆資料館の展示に歴史的流れを踏まえたヒロシマの主張を求めていると感じた。
 彼は自らの思いを伝える為、近いうちに再びヒロシマに戻って来るに違いないと感じた。

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