屋上
超高層ビルからの景色は美しい。初めて見たときは、その景色に驚く。しかし慣れてくるに従い、眼下に見下ろすビルの屋上が意外と汚いのに気づく。あきれると共に、いささか嫌になってくる。
マンションやオフィスビルの屋上には、クーラーや仮設の倉庫やなんやかやが雑然と置かれている。部屋の中に置くには勿体ないといった類の物が、屋上に追いやられ、物置になってしまっている。ゴミ捨て場のようですらある。写真の景色はまだ良い方だ。
そもそも建築のデザイナーも、ビルの屋上が見られると思って、設計していない。横から見られることは解っているから、横からみれば、クーラーや、物置もブラインドで囲われ、隠されているから見えない。が、隣にさらに高い建物ができると、隠したつもりの雑物が見えてしまう。これでは頭隠して、尻隠さずだ。

超高層ビルから見る街の景観は意外と美しくない。ただもの珍しさだけだったようだ。
古来日本の寺社仏閣に限らず、屋根はなんともいえず美しい。その屋根の連なる町並みも美しい。京都では、京都の美しさは町家風の屋根にあるとし、景観条例の中で、全ての建物の屋根に勾配をつけるよう決められたようだ。
小学校唱歌に、「甍の波と雲の波 重なる波の中空を 橘かおる朝風に 高く泳ぐや 鯉のぼり」という歌があった。
ということをみると、どうも戦後になって、近代建築がもてはやされ、RC造の陸屋根になってから、屋根が消え、屋上が汚くなってしまったようだ。コルビジェ等の近代建築思想では、屋根は合理的でないとして、なくなってしまった。
しかし合理性ということからいえば屋根があったほうが、本当は合理的なようだ。陸屋根は雨漏りがしやすく、断熱性も悪い。建物のオーナー、建設業者は雨漏り対策に悩まされ、設備業者は最上階の部屋とそれ以下の部屋の室内気温の調整が難しく、頭を悩ませているのが実情だ。屋根がないことは、総合的に見れば、実は意外と不合理なのだ。屋根の価値が再認識される時代になったようだ。
すべてのマンション、オフィスビル等の陸屋根の上に蓋をしたくなってきた。屋根を架けたくなってきた。
可笑しい。
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中心部のビルの上の小屋は殆どが違法建築と聞きます。
景観的にもですが、これからはヒートアイランド対策や、温暖化対策に、屋上にビオトープや緑、ソーラーパネルなどの利用が望まれます。是非、行政の指導なども欲しいところですね。
投稿: Y | 2008年1月 7日 (月) 09時35分
Y様
確かにこの写真に写っている小屋は建築基準法違反でしょうね。
周辺に高いビルが建つようになって、こうした違反がはっきりと見えてしまうようになるとは、持ち主も予想しなかったことでしょうね。
私も、この写真でそんなことをいうつもりはなかったのですが。
投稿: 元安川 | 2008年1月 7日 (月) 11時28分
初めて拝見しました。
ここ数年、私も瓦屋根の美しさを改めて実感しています。豪雪地帯では、瓦屋根の美しい家並みを見ることはできません・・・
ビルやマンションの屋上といえば、これからどんどん屋上緑化がすすんでいくといいですね!広島は、水と緑の美しい街ですから、屋上緑化がすすめば、高層ビルからの景色も一段と美しくなりますしね。なんと言っても地球にも優しいし(^0^)
投稿: りんごのカズ | 2008年1月 7日 (月) 19時01分
りんごのカズ様 青森の冬は厳しく、白一色でしょうね。屋根の雪が徐々に溶けてやってくる春の兆し…それだけに春の到来が待ち遠しく、嬉しいことだと思います。青森から見る広島への思いや感想をどんどん寄せてください。<グランパ>
投稿: 岡目八目 | 2008年1月 8日 (火) 09時41分
りんごのカズ様
コメントをいただきありがとうございました。
成る程、屋上緑化という手もありますね。
エコ的対応が、地球環境にやさしいというだけでなく、人にもやさしい、そして尚且つ美しいというのも素晴らしいことですね。
ビルの所有者の意識が屋上にもいって欲しいですね。
投稿: 元安川 | 2008年1月 8日 (火) 10時06分