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2007年12月20日 (木)

「放火殺人事件に無罪判決」が教えるもの

 昨28日、「守屋元防衛事務次官夫妻逮捕」や「坂出の祖母と孫殺人犯逮捕」の陰で薄らいだが広島地裁で驚がく的な判決があった。
 死刑が求刑されていた「殺人放火事件」に無罪判決が下された。裁判長は「シロではない。灰色とも見えるがクロとは断定できない」と刑事裁判の原則に帰って「疑わしきは被告人の有利」と無罪を言い渡した。

 37歳の被告は2001年1月、広島市西区で母を殺して放火し自分の娘2人も焼死させたとして起訴されていた。
 初動捜査で警察は被告の保険金受け取りをなどの事実を掴んだが物証がなく逮捕の決め手にならなかった。しかし、5年後別の詐欺事件で拘置中、被告が放火殺人を認めて再逮捕。
裁判では自白の任意性と信用性が争われた。

 自白の任意性や信用性が争われる裁判は旧刑事訴訟法が新法に変わった昭和30年代当初発生の事件で冤罪として争われるケースが多かった。自白が証拠とされていた旧法時代の名残が捜査をずさんにし物証を軽んじた時代である。

 新聞報道によると判決は任意性については認め、信用性についても「放火した状況は詳細に語っている」と一部認めている。しかし、動機が当初の自殺願望から死刑願望に変わり、更に保険金目的に変わっていった経緯などが不可解とした。その上で「犯人しか知ることが出来ない事実の裏付けがない」「具体的な供述も捜査官と共同で作成された疑いが排除できない」と自白の信用性に疑問を示して刑事裁判の原則に沿った判決を示した。

 一見、見事な大岡裁きだ。しかし、真犯人がいる訳ではないからすっきりしない。

 今回の判決が警察のずさんな捜査に疑問を投げかけたことは間違いない。
 先ごろ全員が無罪になった鹿児島県議選違反事件は自白偏重の捜査の在り方が問われた事件だった。
 検察側の即時控訴で改めて自白の任意性信用性が争われる事になろうが、奪われた3人の命に報いるためにも広島県警が真犯人の犯行を裏付ける新たな物的証拠をあげる他ない。

また、この事件は改めて警察の取り調べにVTRやDVDなどを導入するなど、その在り方を大幅に改善しない限り問題の根絶は難しい事を教えたと言える。

 2年後に導入される裁判員制度を控えて、貴方が裁判員であったらどう判断しますか。

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コメント

裁判員制度について「素人が司法判断を下せるのか」という議論もありますが、私は何より専門科である裁判官や検事、弁護士が本来の正しい裁判を行うための良い制度だと思っています。
裁判を傍聴に行くと、余程注目を浴びている裁判でもなければ傍聴人も殆どいませんが、全くお互いに馴れ合いの手続きだけの進行としか思えないものが多くあります。最近、広島地方裁判所で逆転無罪判決が続いていますが、逆転判決を出さざるを得なかった原因の多くは、これまでの裁判で、検察だけでなく判事も含めた関係者の怠慢で杜撰な裁判が行われていた結果としか思えません。民主主義で最も重要なことは市民参加だと思います。

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