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2007年12月19日 (水)

自動車産業は斜陽?

 トヨタが半期で1兆円を越える利益を出し、売り上げはGMを抜き、世界最大の自動車メーカーになった。
 すごい。わが世の春を謳歌している。しかし日本国内での自動車の販売台数は落ちているという。これは今期に限った一時的なことではなく、かなり構造的な要因によるように思う。GMの赤字は2兆円を越えるという。これもまたすごい額だ。フォードも赤字だという。クライスラーはすでに消えた。かつてアメリカの経済を象徴した自動車産業がいまや凋落の一途を辿っている。どうもこれはアメリカの自動車産業に日本が勝ったというような単純な問題ではなく、そこにはかなり深刻な問題があるように、私は思う。
 若者の車離れが加速しているという。使うお金も携帯の費用を下回り、支出総額のわずか3.5%だという。
 昔は、男の子にとって、車が必須アイテムであった。ピンとテールの跳ね上がった大きなオープンカーに、女の子がポニーテールの髪をなびかせ、ジュークボックスの前でツイストを踊るというアメリカ映画に、みんな憧れたもんだ。アメリカの若者のようにあんな車をもったら、女の子にもてるだろうなと想ったりもした。
 マツダのロータリークーペは今見ても、なんともいえず美しい。ロータリーエンジンも未来のエンジンといわれ、自動車レースでは破竹の快進撃があった。マツダの心意気を感じた。そこには夢があった。

M1

 いまでは車に、誰も、そんな夢を持たない。第一、ランドクルーザーも、ワンボックスカーも、車そのものがちっとも面白くない。女の子にもてたいがために、頑張るという男もいなくなったということもある。携帯の出会い系サイトで、女の子を誘い出すというのだからなんとも暗い。
 車はかっては憧れの対象だったが、今では憧れの対象でなくなった。日本では、車なんかなくとも生きていける。憧れの対象でなくなったら、そろそろその産業の終焉は近いと思ったほうがよさそうだ。
 今全国のスキー場はお客が減り、倒産、閉鎖が相次いでいる。しかしそのスキー産業にもかっては華やかな時代があった。当時の若者にとって、スキーは最高にゴージャスな遊びだったのだ。広島ではスキー場に至る道路が何キロにわたって渋滞したことがあった。東京では土曜日の夕方になると、夜行列車に乗り、床に新聞紙をひき寝た。スキー場につくとひたすら滑って、時間ぎりぎりまで滑って、夕方の列車に飛び乗った。そんな状況でも、皆夢中になってスキーをした。スキーは豊かさの象徴でもあり、若者の憧れだったのだ。スキーのうまい男はもてた。スキーが縁で結婚したカップルも多い。都会の女の子が地元の農家の息子と結婚して、苦労したという話は嫌というほどある。しかしそのスキー場もいまは悲惨な状況にある。途中スノーボードが現れ、スキー場が持ち直したように見えた。でもボードは1部のマニアックな若者の遊びであり、誰もが憧れるような遊びではなかった。結局、ボードがスキー場の寿命を縮めたような感すらある。
 スキーが「憧れの対象」でなくなったとき、スキー産業は廃れたということである。
 造船業も同じような軌跡を辿っている。造船会社が日本の産業を牽引していた時代もあったが、船の需要が満たされると、一気に造船不況に陥り、造船会社の倒産が相次いだ。造船会社は大きく方向転換し、様々に事業に進出することで生き残りを図り、いまでは造船業は企業の一部としてようやく生き残った。
 建設産業も今大きな変換点にあるが、建設産業の衰退も自動車産業の将来を示唆しているように思う。建設工事は1993年には85兆円、GDPの18%を占めていた。それが今では半減した。倒産したゼネコンはワンサカある。その理由はバブルの影響だけではない。建設工事が減ったのだ。欧米では建設投資額は10%を切っている。日本は台風、地震が多いから建設工事はなくならないといわれているが、それは反面正しいが、建設工事が多い国は開発途上国といえる。建設産業も様変わりせざるをえない。あの栄華を誇った時代はもう来ないのだ。いまでは住宅の寿命も100年持たせようともいわれている。「新規需要が満たされたら、そこからあとの建替え工事だけでは工事量は激減する。」ということである。
 日本の自動車産業も「車の新規需要は満たされた。車は憧れの対象でもなくなった」ということである。
 GM、フォードの凋落は、日本の自動車に追い抜かれたからということだけではないと理解すべきだ。トヨタだってGM、フォードの辿った道を辿らないとも限らない。明日は我が身だと理解すべきだろう。
 石油の枯渇から、自動車産業に未来はないという人もいる。中国、インド、ブラジル、インドネシア、アフリカの人たちの、60億人もの人が車に乗るようになったら、それは石油が足りなくなるだろう。石油の値上げは、自動車産業の凋落に追い討ちをかけることにもなるだろうと思う。その前に不都合な真実で、地球はぶっ壊れるかもしれない?
 そう考えてくると、水素自動車、電気自動車の開発も、こうした構造的な条件を変えるほどにはなりそうにない。
 トヨタもそんな危機感を感じているのだろう。車にNAVIを乗せたり、車そのものをITルームのようにしょうとしたり、まったく他分野の住宅産業への進出を図ったりし、様々の生き残り策を講じている。
 日本の自動車産業はどう戦略転換を図るのだろうか。マツダはどうするのだろうか。
 今のうちに考えておかないと、そのときになってからではもう手遅れだ。

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