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2007年12月21日 (金)

外国人力士の「品格?」と相撲協会の傲慢

 横綱朝青龍が30日、祖国モンゴルから帰国し横綱審議会に「今後は初心に戻って努力します」と謝罪して、4ケ月に及んだ騒動に一応の幕が引かれた。

 騒動の発端は名古屋場所で21回目の優勝後、「疲労骨折」を理由に夏巡業を休場しモンゴルに帰国中にサッカーに興じる姿がTVで放送され“仮病疑惑”で一気に「横綱の品格」「去就」を問う声が噴出して大問題になった。
 
 これに対してモンゴル大使館は相撲協会に「朝青龍はサッカーに出る予定はなかったが無理を押して出てもらった」と謝罪文を送っているが日本相撲協会は8月1日の緊急理事会で「秋場所と九州場所の出場停止と30%の減俸4ケ月・自宅謹慎」の処分を決めた。
 
 朝青龍にはこれまでに土俵上や稽古場での態度など素行が問題にされた事があったと伝えられるが「何故サッカーに出たのか」の事情聴取も無く処分したのは疑問が残る。
 
 帰国後の記者会見で「痛みはあったが断れなかった」しかし「やってはいけない事をやってしまった。今後は道を外れないよう頑張って行く」と弁明した。
 中田英元選手が企画提案したモンゴルの子供達との交歓交流。祖国の英雄を迎えて開かれた立派な国際交流で、朝青龍が突然の要請を断れなかった事情は理解できる。

 しかし、そこには国技や文化や伝統に対する日本人と外国人の認識に大きな格差があるように思える。相撲道の心・技・体や「横綱の品格」が何なのか教育して来たのだろうか。

 日本が豊かになるのに伴って有望な新弟子の入門が減少し、各相撲部屋の親方達は競ってハングリー精神に培われた外国の格闘技選手を中心に新弟子発掘を行うようになった。
外国人力士は高見山をはじめ小錦、曙、武蔵丸らハワイ出身力士で始まり今やモンゴルを軸にロシア、韓国、ブルガリア、グルジア、エストニアと幕内だけで20人近い。
相撲協会は彼らに何を期待し、どのような指導をしてきたのだろうか。

 曙、武蔵丸に続いた朝青龍は一人で3年も横綱を張り大相撲を支えてきた功績は大きく、自信や誇りや自負心は日本人力士に優るとも劣らないものを持っているだろう。
時津風部屋の新弟子死亡事件が象徴するように封鎖的な特殊な世界で、言葉や生活習慣をはじめものの考え方や古いしきたりに縛られた暮らしには苦労も軋轢も人一倍大きかったと思われる。

 小錦や曙、武蔵丸ら大相撲の功労者・救世主が引退後相撲協会になぜ留まっていないのだろうか。年寄り株の扱いなどで差別的な扱いがあったのではなかろうか。気になる所だ。

 相撲協会が日本人の価値観だけで外国人力士を日本人と同じ精神構造の力士に育て仕立てる事が国技としての必要条件と考えているならば傲慢の謗りは免れまい。
外国人だから甘くても仕方ないとは言わないが「彼はもう過去の人」と言い放って引退を促した横審の女性委員の発言は外国人力士に対するバッシングに他ならない。

 「横綱の品格」が具体的に何を指すかは別として、外国人力士の受け入れを続ける以上、まず改めなければならないのは一般社会常識に欠けた理事長以下の相撲協会自身であり、権威に胡坐をかく横綱審議会そのものではなかろうか。

 「相撲が好きだから頑張ります」と言った朝青龍の言葉を信じて「強い横綱の復活」を期待し見守る事がいまは大切だと思う。

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