異変・秋の香り
やっと秋らしくなってきた。
秋を告げてくれる自然には冷気や木々の葉の色をはじめ虫や鳥の声など様々ある。
けさ、我が家の隣の建物の上にある小さい貯水タンクの梯子の先に、いつもこの時期にやって来るモズ(百舌鳥)の姿を見た。
「チィーチィー」という甲高い鳴き声にあわせて長めの尾を動かしている。
街中のマンション住まいで見かける鳥と言えばカラスにハト、トンビに雀くらいで他の鳥を見かけることは少ない。
ベランダに出ると隣の高校の植え込みから盛んにチィーチーとモズの声が響いている。
モズは渡り鳥ではないが不思議にこの時期になると街中に姿を見せる「秋の鳥」である。
モズは昆虫や蛙、トカゲやネズミなどを食べる猛禽類?の小鳥で、捉えた餌は木の枝先や有刺鉄線に刺して置く習性がある。冬に備えた餌の蓄えで、子どもの頃に「モズの磔(はりつけ)」と言っていたことを思い出す。
日本には季節の移ろいを香りで教えてくれるものがある。
春はチンチョウゲ、夏はクチナシ、秋は金木犀がその代表的な香りだ。
しかし、今年はその匂いを感じないのに気づいて袋町小学校の正門近くにある金木犀を観察してみた。2か所の植え込みには、なんと蕾ひとつない。
平和大通りの緑地にはあちこちに金木犀がある。散歩がてらに確かめて見た。
ANAホテル前から中央通りまでの3~4百メートル間の両側にある生け垣風の植え込みから丸く刈り込んだ一本ものまで数十本、総てが全く蕾も付けていない。
少なくとも平和大通りでは、今年は秋の馥郁(ふくいく)とした金木犀の香りは望めない。
これまで書いた銀杏と紅葉、桜の開花に次ぐ秋の異変について共通する原因は夏の異常高温に違いない。県内の紅葉前線は全般的に遅れ気味だと言う。
この夏、南極やアラスカ氷河の氷解スピードが速まり、現状が持続されれば今世紀末には世界中に水没地域が多発すると言う情報が盛んに流れた。
金木犀の花が咲かない・秋の香りが無くなった現象は「地球温暖化の悪影響」を身近に感じる深刻な材料のひとつではないだろうか。
違う形で身近に自然が警告を発していると考える必要があろう。
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