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2007年8月22日 (水)

木材自給率を高める!

―サスティナブルシティー・広島(5)

日本は木材の殆どを海外から輸入している。現在、国産材の自給率は20%だという。
広島市の木材自給率は、限りなくゼロに近いだろうと思われる。
輸入される80%の内訳は、木材製品・原木・合板が40%、パルプチップが36%、そのほかが4%という。
木材を海外から、大量に安価で輸入されるようになってから、日本の山は荒れるにまかされ、それまで街のあちこちにあった材木商もその殆どが消えてしまった。反面、海外の森林の荒廃が著しいといわれている。
こうしたことは、地球環境的にも好ましいことではないことは明らかだ。

しかしただ単純に、木材を国産材に転換しようとすると、かってのように日本の山を杉、檜の山にするだけの結果になりかねない。
現在では、治山治水やという観点や風景の再生、さらには効率的な林業経営の観点から、戦後相当無理をして植林した針葉樹林を複合林に戻すことや、花粉症の原因となっている杉の成木を花粉の少な新品種に植え替えることも進められている。
こうした森創りをより推進するためには、もっと総合的に国産材の自給率を高める方策を考える必要がある。

その方策の一つとして、現在、広島市、広島工大を中心に進められている木造住宅の精密解体による建築資材のリユースという考え方を取り入れることで、木材の自給率を高めるということについて提案したい。

日本の木造住宅の建て替え年数はおおむね30年程度といわれている。
戦後郊外のあちこちで作られてきた分譲団地の住宅は、今そのときを迎えている。
子供たちは育って都心のマンションに移り住み、その戸建て住宅には中高年の夫婦が残され、残された老人は、SCには車でなければ買い物にも行けないということもあり、今郊外の戸建住宅をどうするかは大きな社会問題になりつつある。
今住んでいる住宅を壊して、2世帯住宅に建て替えるのか、あるいは売却して、都心に移り住むのかという問題が目の前に迫っているわけである。
しかし日本では、いままでそうした古くなった住宅は一銭の価値がないものとして、重機で壊され、産業廃棄物として処理されてきた。
木造住宅をそのように解体処理すると、広島地区では、8,000円代/m2程度かかると聞いている。
各種条件にもよるが、100m2の住宅を解体処理した場合約80万円となる。
今それを瓦1枚から、丁寧に職人が手で解体し、解体された資材はそっくりそのまま再利用しようという研究が、いま広島工大を中心に進められている。
このように作ったときの逆の手順で解体していく作業を、精密解体と称している。
しかし、そんな面倒なことをすれば、その数倍の費用がかかるだろうと一般には思われ、いままでそんなことをする人はいなかった。
ところが、昨年段原の区画整理地区の移転対象となった住宅で、その精密解体の実験をおこなったところ、その解体費用は重機を使ってグチャグチャに解体するのと、ほとんど変わらないということが明らかになった。
ブルでグチャグチャに解体した場合には、建築資材リサイクル法によって、そのあと廃棄をする前に、木材、コンクリート等にそれぞれに分別して、処理しなければいけないということが厳しく義務つけられているので、解体する際に、そのつど分別していく精密解体と、結局はトータルとしての費用は変わらなくなってしまったというわけである。
分別を後にするか、先にするかだけの違いだというわけであるが、その結果は大違いだ。
先にすれば、その資材はそのまま再利用が可能になるということで、最終処分場に捨てられる量が減るだけでなく、輸入木材の量を減らし、日本の自給率を高めること貢献することになるというわけである。

例えば、新しく建てられる10軒の建物うち1軒が、精密解体によるリユース材で建てられたとすると、建築用に使われる輸入の木材製品・原木・合板が40%、国産の木材製品・原木・合板は13%いうことであるから、(40+13)%×0.1=5.3%ということになり、5%を超える木材の輸入を減らすことができることになる。それは、結果として、木材の自給率を高めたというということになる。
リユース材による建築の割合が増えれば増えるほど、輸入木材の量、率は下がるわけであるから、日本の木材の自給率を高める上で、精密解体という手法を育てていく意味は大きいといえる。

精密解体、その資材のリユースということでは、古民家の再生という分野では、すでに充分な実績がある。
そうした活動を一般住宅にも広げようというわけである。
広島市で、もしこうしたことができれば、それだけで、広島市の木材自給率は5%を越えることになるということでもある。
それはまたそこに、新たな流通機構を創ることになるだろうし、新たな雇用も生み出すことになるだろうと思われる。
大変素晴らしい研究だといえる。

この広島工大を中心にして進めている建築資材のリユースの研究は、日本の環境政策にとって大きな意味があるだけでなく、世界の森林行政にとっても大きな意味があることだと思う。

そして、この精密解体に関する研究を、広島市、大学、企業そして市民が一体となって進めることで、広島市の誇る、新しいビジネスを育てていって欲しい。

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広島も、かってのように太田川流域の木材を使って建築を作るという、「木材の地産地消」を考えるべきでしょうね。

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