戦前の子供の遊び
今年で3回目を迎える原爆犠牲者の鎮魂のための「小さな祈りの影絵展」。今年のテーマは「暮らしの中の遊び」だ。
影絵作家の浜崎ゆう子さんと友人で映画の美術監督の部谷京子さんは戦前の広島の子供達の遊びを取材するためやってきた。
私も、戦前市内に在住していた70~75歳の友人知人に事前取材して伝えた。
石蹴り・缶けり、竹馬、おはじき、けんだま、竹トンボ、水鉄砲、パッチン(めんこ)、凧揚げ、戦争ごっこ・弓矢・隠れ家・陣地遊び、鬼ごっこ、コマ回し、かくれんぼ、縄跳び、紙芝居、あやとり、お手玉(おじゃみ)、折り紙、ゴム鉄砲、竹返し・・・
広島市内から30キロ東の西条の田舎住まいだった私たちの経験と似たり寄ったりである。
ここにない私たちの遊びに紙鉄砲、杉鉄砲と言うのがあった。細い女竹を筒に使い、筒に濡らした新聞紙をつめて、更にもう一つ新聞紙の球をつめて細木を芯に押し出すと先に詰めた紙の球が飛び出す仕掛け。杉鉄砲も同じ理屈で、さらに細い竹の筒に杉の実をつめて自転車のスポークを芯にして押し出すと弾けるように飛び出す。
コマ回しは丸い4~5センチの木の先を尖らすように削り高さも5~6センチに切って円錐状のコマを作る。これを1メーター程の帯状の布きれを細い棒にしばりつけ、円錐状のコマに巻きつけて回し帯状の紐をコマの横腹にたたきつけてコマの回転をあげて回す。
竹トンボ、竹馬、弓矢。凧揚げは竹ひごつくりから始める。奴ダコは難しいのでもっぱら四角や菱形の角ダコだ。
和紙が良いが専ら新聞紙が材料だ。接着する糊はご飯を竹や木のコテ(へら)で丁寧にすり潰し強度のある糊を作った。
これは大人たちが葬儀の際に隣近所が集まって紙の葬式花を手作りすりのを見て育った田舎の子たちには出来る技だった。見よう見まねの伝承である。
また子供の遊びに小刀(ナイフ)は必需品だった。何でも切り削って遊びの小道具を作った。左手の親指で右手に持った小刀の背中を軽く押し出しながら削る技は誰もが出来た時代だ。鉛筆削りの要領である。
こんな遊びがあった・・・と言う方は是非、教えてください。
影絵展の中でどれがどのように再現されるか楽しみだが、こんな遊び道具の作り方を今の子供たちに教え伝える塾(教室)があってもよいと思う。
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「戦前の子供の遊び」拝見しました。そして文末の方で、「こんな遊びがあった・・・と言う方は是非、教えてください」とあり、「(影絵などで)こんな遊び道具の作り方を今の子供たちに教え伝える塾(教室)があってもよい」と言われる様に、その題材にされるのでしょうか。どのように演出するのか、興味ある活動ですね。
それだけに、私の経験した遊びなどが、どの程度参考になるのかわかりませんが、2年ほど前、「子どもらのふるさと」という拙本を書き、戦前戦中の子どもらの遊びや戦中体験を、子どもの感じたままを追想して書いたものです。
体験の中には、すでに本稿「戦前の子供の遊び」と重なるものが多いのですが、地域的なものや何やらで、異なるものもあるようです。そこで、その拙本を進呈いたしたくメールをいたしました。よろしかったら送り先等を、メール等でご指示頂けたら、早速お送りさせて頂きます。どうぞよろしく… (おのれんたろう)
投稿: おのれんたろう | 2009年8月22日 (土) 17時50分