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2007年5月11日 (金)

サスティナブルシティ広島

―自給自足都市・広島を創る― 

 日本の食糧は、その殆どを輸入に頼っている。日本の食料自給率は40%~50%である。広島市の食料自給率は3%といわれている。東京都のそれは限りなくゼロに近いと思われる。広島市に限らず、現代の日本の都市は何か事あれば、一瞬にして飢餓状態に陥ってしまうことは、誰にでも簡単に予想できることである。しかし、誰も敢えてそのような状況が起こることを考えようとしない。日本はその食料の殆どは、なんらかの形で海外から輸入されたものなのだ。グローバル経済社会とはそれが当たり前だと理解し、どうしてそれが悪いことなのか全く考えようとしない。これは困ったことだ。

 食糧を輸入しているといえば聞こえはいいが、ちょっと見方を変えれば、日本の経済力を背景に、海外から奪ってきたものだということでもある。1973年に、石油産油国が石油の輸出を制限したことで、オイルショックが起こったことはそれほど古いことではない。食料の世界で、輸出を止められるとか、制限をされるとかのことが起これば、石油ショックどころの騒ぎではないだろうことは想像に難くはない。そして中国の経済発展、人口増に伴う食料の消費の増大、いままで食料として使われていたものがガソリンの代替としての消費等,様々にその必要性が逼迫し始めている。いまや世界を舞台に食料の奪い合いが始まろうとしている。それはもう食料争奪戦争ともいえる状態にある。広島が世界に平和を訴えるなら、自分の食べ物は自分で作るということは、必須の条件だということを認識すべきではないだろうか。

 広島市近郊の農村でも、人口減と老齢化で、農業を続けることが不可能になり、耕作放棄された農地が急速に増え続けている。先祖代々引き継がれてきた、あの美しい棚田も荒れるにまかされているのをあちこちで見かけるようになった。そして集落そのものが消滅の危機にあるとされる限界集落も増え続けている。

 そこでまず就農者を増やすために、幾つかの施策が考えられる。近年、定年後は農業をやりたいという人が増えている。そうした新たな就農者を増やしていくために、広島市では定年就農者育成事業という試みを始めた。
それだけでなく、農家が人手を必要とするときに、ネットを通じて、都市の住民等に、テンポラリーにでも農業の働き手となってくれるよう呼びかけ、より容易に耕作に参加する仕掛けをつくることも必要であろう。またこうした多様な人々を受け入れるためには、より企業として農業をする組織としての農業法人の整備も進めることも必要である。

 また広島市では、市がイニシャティブをとって、家庭菜園、市民農園を作ることも進めている。平成18年現在で、すでに3ヶ所400区画近くを作ってきたが、秋葉市長はマニフェストの中で、こうした農地を取り敢えず1万区画に増やすといっている。その対象となる耕作放棄された農地は、市内の中心部から20~30分走ればいくらでもある。そしてこのような市民農園での農業経験は、本格的な農業参入の契機になることも期待される。自分が作った農作物を自分で消費する、その参加した時間に応じて受け取るというだけでなく、余った農作物を、ネットで販売し、宅配便業者と提携して、市内各戸に届けるようにする仕組みを作ることも必要であろう。

 このように都市住民、耕作放棄された農地、ネット、宅配便という要素を、ネットという最先端の技術で繋げることにより、自分達の食料は自分で作るという、もっとも素朴な生活形態を実現し、広島市の食料自給率を高めることが今求められている。食料を、自分達の住む近くで作ることは、その品質の安全性も保証されることでもある。地元でとれた食材は美味しく、安全であるということで、多少値段が高くても、食材の地産地消には好ましいことであると推奨されるようになってきたこともどんどん推奨する必要がある。

 また広島市西区の草津地区に残る古い民家がそのまま朽ちていこうとしている。そこでそれらの古い民家を使って、広島からはもう消えてしまった伝統産業である味噌、醤油、豆腐といった広島地場産業を育てるということも同時に検討すべきである。農家と都市をダイレクトに結びつけるというだけでなく、味噌、醤油を製造するというような産業も同時に育てることも必要であろう。それは同時に草津地区を伝統産業地区として再生させることにもなり、観光拠点とすることでもある。

 このような究極の地産地消のシステムをつくり、自給自足社会を創ることが、これからの時代の課題だといえる。広島市は、こうしたシステムを実現するために、調度適当な規模であり、立地にあると思われる。
そしてまたこのことは、広島市が、サスティナブルな都市を目指すことになり、そしてこれからの世界の都市の有り方を示すモデル都市になることでもあるといえる。それは、自衛のために武装するという以上に価値のあることではないだろうか。秋葉市長が進める「世界のモデル都市広島を創る」ということは、こうしたことではないだろうか。

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コメント

「自給自足都市・広島を創る」に大賛成です。
もたもた、ヨタヨタしている国の食料政策を待たず、広島市で先進的な実績を作り上げたいものです。世界規模の環境激変が進みつつある今、史上最悪の都市環境汚染・原爆を体験した広島市が自給自足を確立することは普遍的な意味をもつと思います。私は一昨年から国の食料・農業・農村政策審議会の委員を務めています。昔は「農政審議会」と呼ばれ米価の決定などに関わった審議会ですが、食・農のグローバル化もあって1999年に法改正、改称されました。委員のほとんどは大都市在住の学者と関係団体のトップ。地方からの委員は私を含めて3名に過ぎません。会議で強く感じるのは、国民に訴求すべき国の「食料自給の意味づけ」が今もって明快でないこと。質問に対する農林官僚の応答も曖昧模糊で、公刊される「農業白書」にも他人事のように論述されています。元安川さんのおっしゃるとおり、私は食料の自給は国家(市民)にとって基本的に確保すべきアイデンティティ、と思っています。平和は軍事や武装によって担保されるのではなく、まず「生存を確保」することから。広島市にはその象徴的な存在であってほしいし、地理的な要件を備えていると思います。
それにはまず、評論はやめにして都市住民一人ひとりが当事者として、食を育む「土」や「農」にふれて、農村と対流し共生を模索することが大事だと思っています。

西区草津の町に小泉本店さんという江戸時代から続く醸造家があります。江戸時代後期の大飢饉の際、小泉本店さんが酒造米を放出して「おかゆ」の炊き出しをされたそうです。この「おかゆ」を求めて県北各地から大勢の農民が徒歩で草津をめざしました。広島市佐伯区五日市町石内地区は草津まで山ひとつというところにあります。その最後の山を越えられず、行き倒れた無名の民を弔う小さな石仏が今も石内のあぜ道に残っています。

けんくん様
素晴らしいコメントをいただき、どうもありがとうございました。
今日から、中国新聞で「ムラは問う」というタイトルで、農の問題をグローバル化の視点から見ていく特集をするようです。
しかしどこか皆他人事です。
食料がグローバル化して、どこが悪いんだ、と皆さん思っているようです。
けんくん様の指摘するように、自分たちの食料は自分たちで作るということを、広島市が率先して、進めていくことの価値は大変大きなものがあると思います。
その価値を皆さんにわかっていただく運動を始める必要があるようです。

思い切って、書き込みします。
『毎日、タウンNEWS広島 平和大通り』を楽しみに読んでいます。
『自給自足都市・広島を創る』これが、サスティナブルな『世界のモデル都市広島をつくる』ことだと思います。

以前聴いたことがありますが、新商品が開発され販売動向を市場調査する場合に広島でおこっているそうです。それは広島は都市部から農村部がコンパクトにまとまっているからだそうなんです。
広島はそんな意味からも『自給自足都市・広島を創る』ための地理的な条件をそろえていると思います。

ゆき りんご様
毎日、「タウンNEWS広島 平和大通り」を読んでいただいているとのこと、ありがとうございます。
広島が販売調査のモデル都市になっているとのことは私も聞いたことがあります。
こんどもう少しきちんと調べてみたいと思っています。
またこうしたコメントをいただくと、書いたことに対して、改めて責任を感じます。
「サステイナブルシティー」という概念は、これからの広島を考えるときのキーワードだろうと思っています。
それにしても、広島市は不思議な街です。

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