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2007年5月 2日 (水)

市長選「よもやま昔話」

 16年前の広島市長選挙の投開票日にあった事件の裏話です。既に時効になっている今、こんな卑劣な事件があったことを忘れないように私流に書き留めて置きたいと思う。

 荒木市長の後任を選ぶこの年の市長選は当時の県医師会の杉本会長と当時の中国放送の平岡社長が対決した。杉本氏は自民党がバックアップしたのに対し平岡氏は担ぎ出しに一役買った橋口広銀頭取ら広島の主だった経済人が応援し、熾烈な選挙戦を展開した。選挙期間中にRCCの記者が杉本事務所で嫌味を言われたり嫌がらせを受けるのは当たり前えのように繰り返されていた。

 情勢は平岡有利に展開し、開票日は選挙速報番組を放送するため各テレビ局は両陣営に中継車を張付けてスタンバイした。ところが、杉本事務所に出かけたRCC中継車とカメラを結ぶケーブルが何者かによって鋭利な刃物で切られる事件が発生した。当然、警察は威力業務妨害事件として捜査に乗り出し、新聞テレビは全国ニュースとして「平岡当選」と共に一斉に報道した。ここまではまだ多くの方の記憶に残っていることと思う。

 事件後、数日たって某テレビ局の記者から私に内密に会いたいとの連絡があった。たまたま事件当夜、杉本事務所の薄暗い通路でスタンバイしていた彼の目の前で、テレビ中継車のケーブルを手探りする若者に気づいた。カメラ撮影用のランプを消したままカメラのスイッチをオンにしてフォローした。

 当然、VTRには中継カメラのケーブルをカッターナイフで切る若者が写し出されていた。

 記者はこのVTRの扱いを悩んだ末にことの重大性を考え、上司に相談のうえ私に連絡してくれた。このVTRコピーを借りて密かに彼の身分や所属を探った。若い彼が広島郊外の開業医の息子で数回の医大受験に失敗し、ある団体に勤務していることは意外に早く判った。

 この取材メモにVTRを沿えて警察に提出したことは言うまでも無い。しかし、警察からの連絡は「不問に付し、立検しない」という極めて政治的?な判断だった。
 
 この件について社内では数人しか承知していなかった。事件の後ろで糸を引いている政治家の影が見え隠れする中で凡その推察が出来ていた。平岡市政が船出したばかり、これ以上複雑な状況を生まない方が市政のためにも良いと考えて、警察の判断に従った。
  
 こんな嘘みたいな話がどうして生まれたのか。当時、今日ある広島の政治状況の芽が見えていたら、眼力を持っていたなら・・・見抜けなかったことが極めて残念である。結局、目に見えない長いものに巻かれてしまった。

 政治の世界では当たり前の妥協や談合をジャーナリズムの世界に身を置きながら許したことが大いなる間違いであったといわざるを得ない。

 またこの時、警察当局に厳しく立検を求めていたなら広島の今が少しは変わっていたのではないかと反省しきりである。

 16年前も今も誰の為に何の為に政治があるのかを考えるとき「不正義は許さない」姿勢を貫く勇気が大切のことに変わりは無い。


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